FIS ALPINE WORLD SKI CHAMPIONSHIPS - Åre 2007

17,02,2007 Men's Slalom
2月17日 男子・回転
Men's Slalom Podium, (L-R) 2nd / Moergg (ITA), 1st / Matt (AUT), 3rd / Grange (FRA)
Men's Slalom Gold, Mario Matt (AUT)
2nd / Manfred Moergg (ITA) 3rd / Jean-Baptiste Grange (FRA)

 2月17日に行なわれた個人種目最後のレース、男子回転は大荒れに荒れたレースになった。74人が出場して2本とも完走したのは25人。予選レースを行ない出場枠を絞ってのこの完走率。おそらく前例のない荒れたレースとなった。

 旗門数は1本目71、2本目は70。セッターは1本目がカナダのM・グスタフソン、2本目はイタリアのC・ラベット。気温は0℃、雪温は-1℃、重い雲がたれ込める曇り空だが北欧とは思えないような暖かい中でのレースであった。

 6年前(サン・アントン)のスラローム・チャンピオン“スーパー・マリオ”、オーストリアのマリオ・マット(27歳)が再び世界選手権のチャンピオンに輝いた。しかも1、2本ともベストタイムをマークしてのぶっちぎりの勝利だった。トータルタイムは1分57秒33。今大会、オーストリア男子の個人種目唯一の金メダルである。

 今シーズンのマリオ・マットはワールドカップがヨーロッパに移ってから調子を取り戻した。まず12月、アルタ・バディア(ITA)のスラロームで優勝。1月に入ってからは、アーデルボーデン(SUI()のスラロームで3位、ウェンゲン(SUI)のスーパー・コンビで優勝、キッツビューエル(AUT)のスラローム2連戦では2戦とも2位、直前のシュラドミング(AUT)のスラロームは3位だった。下馬評で言えばマリオの評価はベンジャミン・ライヒ(AUT)やイェンス・ビッグマルク(SWE)に比べて劣っていたのは事実だった。だからプレッシャーはまったくなかったと言える。レースも2レース目のスーパー・コンビに出ただけで(11位)他のレースには出なかった。だから他の選手と違い疲れていなかった。スラローム1本に絞れたことが功を奏したといえるだろう

 2位にイタリアのマンフレッド・モェルグ(24歳)、1秒81遅れ。1本目はトップに1秒33遅れの6位。2本目は2位のタイムで初の銀メダルにたどり着いた。

 3位にフランスのジャン・バプティスト・グランジェ(22歳)、2秒21遅れ。1本目は1秒27遅れの5位に付け、2本目は4位のタイムだったがランクアップ、初の銅メダルを獲得した。今大会フランスの初のメダルである。

 トリノ・オリンピックのチャンピオンでディフェンディング・チャンピオンのベンジャミン・ライヒ(28歳)は2秒24遅れの4位だった。1本目、ゴール目前にしての失敗が最後まで尾を引いた。

 5位に1本目3位に付けていた“オーストリアの高見盛”、マンフレッド・プランガー(26歳)は2本目、彼にしてはノーミスの滑りだったのだろうが、如何せん遅かった。

 6位にカナダのミカエル・ジャニック(24歳)。1本目の8位から2本目は6番目のタイムで入賞を果たした。カナダのエース、トーマス・グランディ(34歳)が太鼓判を押すニューカマーである。

 1本目2位のタイムを叩き出したドイツのニューカマー、フェリックス・ノイロイター(22歳)は、2本目良い滑りでアタックしていたが中間でコースアウトし、惜しくもメダルを逃した。往年スーパースター、ロジ・ミッターマイヤーとクリスチャン・ノイロイターの間に生まれた、まさにサラブレッドである。

 多くのスターが1本目に姿を消した。今季突然化けたビブ2のイェンス・ビッグマルク(SWE)、トリノのコンビの王者、ビブ7のテッド・リゲティ(USA)、怪我が癒えて間に合ったビブ8のトーマス・グランディ(CAN)、トリノの銀メダリスト、ビブ12のラインフリード・ヘルブスト(AUT)、60番スタートから初優勝を挙げ今日はビブ13のマーク・ベルトー(SUI)、日本のエース、ビブ14の佐々木明(グローバル・エクステンドスキークラブ)、トリノの銅メダリスト、ビブ16のライナー・シェンフェルダー(AUT)、今大会金2個を獲得しているビブ17のアクセル・ルンド・スヴィンダル(NOR)、好調スイスチームのプリンス、ビブ18シルバン・ツルブリッゲン(SUI)、今大会コンビで金のビブ19ダニエル・アルブレヒト(SUI)、ロートルながらドイツのエース、ビブ25のアロイス・フォグル(GER)、異端児今季限りで引退のビブ31、ボーディ・ミラー(USA)。皆名だたるスラローム巧者達である。

 さらに2本目には、ビーバー・クリークで初優勝のビブ6、1本目7位のマルクス・ラールション(SWE)、世界選手権荒らし、ビブ4、1本目10位のカレ・パランダー(FIN)、サン・モリッツの金メダリスト、ビブ4、1本目9位のイヴィツァ・コステリッチ(CRO)、ドイツのサラブレッド、ビブ10、1本目2位のフェリックス・ノイロイター(GER)らがコースアウト。昨年のスラロームチャンプのビブ10、ジョルジオ・ロッカ(ITA)は1本目にゴール直前のヘヤピンで失敗、止せばよいのに登り直してトップのマットに18秒59遅れの39位(最下位)で2本目はスタートしなかった。今季ここまで好調を維持していたスイスチームは一人も残れなかった。

 14番スタートの佐々木明はスタート直後(10双旗目)に転倒、体勢を立て直して滑りを続けたがスピードはない。ゴール直前で再びコースを外れ、途中棄権に終わった。

 34番スタート、トリノ7位の湯浅直樹(スポーツアルペンSC)はトップのマットに2秒31遅れの15位で1本目を通過、2本目はゴール前の急斜面に入る箇所でスリップアウト、潜り直してゴールするも18番目のタイム、トータルで2分04秒47の18位とランクを落とした。トップとのタイム差は7秒14。


 スラロームにエントリーした花田将司(北海道東海大)は予選レースで途中棄権に終わり、本戦には出場出来なかった。
 スイスからモルドバに移籍したウルス・イムボーデン(31歳)とオーストリアからブルガリアに移籍したキリアン・アルブレヒト(33歳)の二人がピステに姿を現わした。二人とも完走してイムボーデンが11位、キリアンは13位だった。チームを移籍(国籍変更)するには各人それなりの事情があるのだが、FISのジャン・フランコ・キャスパー会長は、「チーム移籍にはもっと厳しい制限を設けなければならない」などと、選手のやる気をなくさせるような発言をしている。主役は常に選手だという鉄則を忘れている。

 いずれにせよ今日のレースは、マリオ以外はほとんどの選手が出場資格を問われかねないような成績だったということを記しておこう。それにしてもマリオ・マットは異星人のようだった。

Men's Slalom, Result
Rank Bib Name YoB Nat. Run 1 Run 2 Total Skis
1 3 MATT Mario 1979 AUT 59.22 58.11 1:57.33 Fischer
2 15 MOELGG Manfred 1982 ITA 1:00.55 58.59 1:59.14 Fischer
3 22 GRANGE Jean-Baptiste 1984 FRA 1:00.49 59.05 1:59.54 Rossignol
4 1 RAICH Benjamin 1978 AUT 1:00.45 59.12 1:59.57 Atomic
5 21 PRANGER Manfred 1978 AUT 1:00.41 59.41 1:59.82 Voelkl
6 9 JANYK Michael 1982 CAN 1:00.70 59.28 1:59.98 Rossignol
7 41 KARLSEN Truls Ove 1975 NOR 1:01.31 58.89 2:00.20 Blizzard
8 50 BURAAS Hans-Petter 1975 NOR 1:01.43 59.35 2:00.78 Rossignol
9 39 BIGGS Patrick 1982 CAN 1:01.48 59.96 2:01.44 Voelkl
10 49 MYHRE Lars Elton 1984 NOR 1:01.74 59.82 2:01.56 Rossignol
11 47 IMBODEN Urs 1975 MDA 1:02.27 59.51 2:01.78 Voelkl
12 23 HANSSON Martin 1975 SWE 1:01.79 1:00.19 2:01.98 Nordica
13 43 ALBRECHT Kilian 1973 BUL 1:02.29 59.99 2:02.28 Hart
14 28 LIZEROUX Julien 1979 FRA 1:02.86 59.85 2:02.71 Fischer
15 45 BAXTER Noel 1981 GBR 1:01.90 1:00.93 2:02.83 Fischer
16 38 TREJBAL Filip 1985 CZE 1:01.85 1:01.38 2:03.23 Dynastar
17 56 SIMARI BIRKNER Cristian Javier 1980 ARG 1:02.70 1:00.90 2:03.60 .
18 34 YUASA Naoki 1983 JPN 1:01.53 1:02.94 2:04.47 Hart
19 61 FRANZEN Demian 1984 AUS 1:04.76 1:03.06 2:07.82 .
20 63 HEIMSCHILD Ivan 1980 SVK 1:05.00 1:04.15 2:09.15 Head
21 60 TODOROV Dean 1983 BUL 1:06.63 1:02.98 2:09.61 .
22 11 MYHRER Andre 1983 SWE 1:01.04 1:08.86 2:09.90 Nordica
23 72 ALAERTS Kai 1989 BEL 1:06.69 1:03.84 2:10.53 Rossignol
23 71 CAPDEVILA Guillem 1985 SPA 1:06.55 1:03.98 2:10.53 .
25 52 JITLOFF Tim 1985 USA 1:03.35 1:19.91 2:23.26 Dynastar
DSQ1 44 VRABLIK Martin 1982 CZE . . . .
DSQ1 40 DRAGSIC Mitja 1979 SLO . . . Voelkl
DNS2 5 ROCCA Giorgio 1975 ITA . . . Atomic
DNF2 73 GRIFFIN Benjamin 1986 NZE . . . .
DNF2 69 LUBELLAN Peter 1982 SVK . . . .
DNF2 53 BJOERGVINSSON Bjoergvin 1980 ISL . . . .
DNF2 48 KAUKONIEMI Tuukka 1985 FIN . . . Fischer
DNF2 37 STUTZ Paul 1983 CAN . . . Fischer
DNF2 29 VAJDIC Bernard 1980 SLO . . . Elan
DNF2 27 BOURGEAT Pierrick 1976 FRA . . . Rossignol
DNF2 24 DEVILLE Cristian 1981 ITA . . . Voelkl
DNF2 20 KOSTELIC Ivica 1979 CRO . . . Salomon
DNF2 10 NEUREUTHER Felix 1984 GER . . . Atomic
DNF2 6 LARSSON Markus 1979 SWE . . . Atomic
DNF2 4 PALANDER Kalle 1977 FIN . . . Fischer
DNF1 74 STEVENS Hugh 1986 AUS . . . .
DNF1 70 VIDOSA Roger 1984 AND . . . Rossignol
DNF1 68 ZAGORSKI Wojciech 1985 POL . . . .
DNF1 67 KONOVALOV Anton 1985 RUS . . . Fischer
DNF1 66 STEVENS Bryce 1984 AUS . . . .
DNF1 65 ZUEV Stepan 1988 RUS . . . Rossignol
DNF1 64 BABUSIAK Jaroslav 1984 SVK . . . Rossignol
DNF1 62 VUKOVIC Zelimir 1983 SRB . . . .
DNF1 59 MOLLIN Bart 1981 BEL . . . .
DNF1 58 ROUX Christophe 1983 MDA . . . Rossignol
DNF1 57 VAN DEN BOGAERT Jeroen 1979 BEL . . . Atomic
DNF1 55 KRYZL Krystof 1986 CZE . . . Elan
DNF1 54 SAMSAL Dalibor 1985 CRO . . . Salomon
DNF1 51 GORZA Ales 1980 SLO . . . Fischer
DNF1 46 BAXTER Alain 1973 GBR . . . Voelkl
DNF1 42 LEINO Jukka 1978 FIN . . . Atomic
DNF1 36 BANK Ondrej 1980 CZE . . . Elan
DNF1 35 ANSELMET Alexandre 1980 FRA . . . Fischer
DNF1 33 VALENCIC Mitja 1978 SLO . . . Rossignol
DNF1 32 THALER Patrick 1978 ITA . . . Nordica
DNF1 31 MILLER Bode 1977 USA . . . Head
DNF1 30 COCHRAN Jimmy 1981 USA . . . Voelkl
DNF1 26 GINI Marc 1984 SUI . . . Voelkl
DNF1 25 VOGL Alois 1972 GER . . . Voelkl
DNF1 19 ALBRECHT Daniel 1983 SUI . . . Atomic
DNF1 18 ZURBRIGGEN Silvan 1981 SUI . . . Rossignol
DNF1 17 SVINDAL Aksel Lund 1982 NOR . . . Atomic
DNF1 16 SCHOENFELDER Rainer 1977 AUT . . . Fischer
DNF1 14 SASAKI Akira 1981 JPN . . . Blizzard
DNF1 13 BERTHOD Marc 1983 SUI . . . Atomic
DNF1 12 HERBST Reinfried 1978 AUT . . . Blizzard
DNF1 8 GRANDI Thomas 1972 CAN . . . Rossignol
DNF1 7 LIGETY Ted 1984 USA . . . Rossignol
DNF1 2 BYGGMARK Jens 1985 SWE . . . Atomic

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