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速報レポート 3日目 決勝

武田竜、会心の鋭角ショートターン!
丸山貴雄が大壁のコブで最高得点

競技3日目、天候が不安視される中で、運営側の的確な判断と努力もあり、決勝の3種目が無事に行なわれた。

午前中は、兎平の急斜面で大回りと小回り、そして午後からは名木山の大壁に移り、小回り・不整地。それぞれにドラマが待っていた。

大回りの女子では、新潟県の渡邊渚(277ポイント)、予選1位の栗山未来(276ポイント)といった今大会好調の2選手が快走を見せる中、ベテランの青木美和がダイナミックな滑りで282ポイントの高得点を獲得。男子では、昨日もこの種目で高得点をマークした武田竜が種目トップとなる279ポイント。若手の山田椋喬(東京都)、奥村駿(京都府)が277ポイントで続いた。圧巻だったのは北海道の安井章博。ターン前半にビタン!と音が聞こえてきそうなほど力強く捉え、そこから後半にかけて鋭く深くスキーを走らせた滑りは、武田と並ぶ279ポイントをマーク。富良野から挑戦しに来た若武者は拳を何度も振り下ろして喜びをあらわにした。

2種目めは、小回り(スペース規制)。兎平の急斜面に、ターンの横幅をマーキングした3つのレーンが設けられ、選手たちはそれを目安に滑ることに。この種目では滑りの差がはっきり出た。とくに明らかな違いを見せたのは、チャンピオン・武田竜。一瞬の、雪煙がほとんど立たないエッジングで、それまでの選手たちが見せていた円いターン孤とは異なる鋭角な軌道で滑りきり、281ポイントを獲得。なぜそんな短いエッジングで滑れるのかという問いに「もちろん届かないところで捉えても仕方がない。届くか届かないかギリギリのところを極めようと…。極めちゃいました 笑」と余裕の笑顔を見せた。その後、同じく281ポイントをたたき出した奥村駿や、女子で279ポイントをマークした神谷来美など、規制されたサイズの中で深く鋭角なターンを見せた選手に高得点が出された。

午後1時30分からスタートした名木山・大壁での小回り・不整地は、程よく雪が緩んだ急斜面に不規則なコブが並ぶ、短いながらもはっきりと実力が出やすい設定に。女子では渋谷潤子(ポイント)、神谷来美(276ポイント)、そして栗山未来(279ポイント)、男子では渡部浩司(281ポイント)、石水克友(279ポイント)、青木哲也(282ポイント)と、コブの名手たちが次々と好パフォーマンスを発揮。その中でスペシャルランを見せたのが、技術選2010、11、12、15、17王者の丸山貴雄。深さ、落差が不揃いのピッチを、1ターンのミスもなく豊かなスピードで駆け抜け、他を圧倒する286ポイントを記録。今大会はここまで苦戦を強いられてきたが「大壁は譲れないでしょ」と意地を見せた。

決勝を終えて、男子は1位 武田竜、2位 青木哲也、3位 関原威吹、4位 井山敬介、5位 丸山貴雄、6位 山野井全、7位 佐藤栄一。女子は1位 栗山未来、2位 神谷来美、3位 川端佑沙、4位 春原優衣、5位 青木美和、5位 渡邊渚、7位 弓野華緒。明日(3月6日)はいよいよ最終日。男子上位30人、女子15人でスーパーファイナルを4種目、その後男子上位10人、女子上位5人によるウイニングマッチが行なわれる予定だ。

男子 決勝 大回り 種目1位 安井章博
女子 決勝 大回り 種目1位 青木美和
女子 決勝 大回り 種目2位 渡邊 渚
女子 決勝 大回り 種目3位 栗山未来
男子 決勝 小回り 種目1位 奥村 駿
男子 決勝 小回り 種目2位 武田 竜
女子 決勝 小回り 種目1位 神谷来美
男子 決勝 小回り不整地 種目1位 丸山貴雄
男子 決勝 小回り不整地 種目2位 青木哲也
男子 決勝 小回り不整地 種目3位 渡部浩司