第60回という節目を迎えた今年の技術選。予選1日目となる本日は、当初予定されていた「フリー」と「小回り(スペース規制)」から、翌日(3月10日)に行なわれる予定だった「大回り」と「小回り 不整地」に種目が入れ替わるかたちで実施された。
今大会では整地種目において、「ハードパック」という設定が新たに設けられた。難易度の高い条件のもとでも、ミスを最小限に抑えつつ走りや切れを表現できた選手に高得点がついた印象だ。
男子でこの種目トップとなる279点をマークしたのは、学連から出場する関原威吹。前回大会で男子総合4位に輝き、今大会での活躍も大いに期待される彼が、昨年以上のダイナミックなターンでギャラリーを沸かせた。関原に続いたのは、277点をあげた技術選3連覇中のディフェンディングチャンピオン、武田竜(北海道)。そして群馬県から出場する高校生、川上勇貴が276点で種目3位につけた。
女子は2大会前の優勝者である春原優衣(長野県)と、前回大会で新人賞に輝いた渡邊渚(新潟県)が275点で同点一位。そして大場朱莉(宮城県)が種目3位となる273点で続いた。
もうひとつのコートでは、不整地種目が行なわれた。会場となったのは久しぶりの開催が実現した黒菱ゲレンデ。この種目では前走と後走を、2021/22シーズンモーグルW杯男子総合2位に輝いた堀島行真がつとめるスペシャルサプライズが。名物と言われる黒菱ゲレンデを、ひとり次元の違うスピードで滑り降りる姿には圧巻の一言。会場も大いに盛り上がっていた。
難易度の高い斜度とコブの形状に苦戦する選手も少なくないようだった不整地種目。そういったなかで抜群の安定感を発揮し、男子の種目1位に輝いたのは桑原竜司(福島県)だ。元モーグル選手であり、W杯などへの出場経験をもつ桑原が文句なしのうまさで279点をマーク。桑原に1点差で続いたのは、水落亮太(新潟県)、丸山貴雄(長野県)、井山敬介(北海道)の同学年3選手と、関澤徹(北海道)の計4名だった。
女子は、元モーグル選手であり、堀島行真の姉でもある堀島有紗(岐阜県)が種目トップの277点を獲得。コブに張り付くようなスキーさばきで、2位に3点差をつけた。274点を獲得し、種目2位となったのは前回大会で女子総合2位に輝き、一躍トップスキーヤーの仲間入りを果たした神谷来美(北海道)。そして春原優衣(長野県)、栗山未来(新潟県)、勝浦由衣(北海道)、渋谷潤子(石川県)が272点で種目3位となった。
予選1日目で総合1位に輝いたのは、男子が水落亮太(新潟県)、女子が春原優衣(長野県)。彼らを追う選手のなかには、まだ高校生の川上勇貴(群馬県)や奥村駿(京都府)、渡邊渚(新潟県)や神谷来美などの若手スキーヤーも多い。そしてもちろん、ディフェンディングチャンピオンの武田竜(北海道)や栗山未来(新潟県)も、十分に逆転が可能な位置につけている。
明日は「フリー」と「小回り(スペース規制)」という、何が起こるか予想がつかない種目。今大会も予選からの得点がすべて持ち越しとなるため、1種目も気を抜けないなかでどのような結果となるのか。明日の競技からも目が離せない!
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