大会2日目を迎えたルスツリゾートには、朝から突き抜けるような青空が広がった。しかも、空気は冬らしく冷気を帯びながらも、ほぼ無風というスキーには絶好の天気。この日行なわれたのは「小回り 急斜面 整地(ナチュラル含む)」と「フリー 中急斜面 整地(ナチュラル含む)」の2種目で、小回りはジャイアントコース、フリーはダイナミックコースが使用された。
どちらのコースもしっかりと締まった雪質に仕上がっており、滑りやすい状況。とはいえ、前回会場の白馬八方尾根のコースに比べると全長がやや短く斜度もほどほどなので、コース上に隠された細かな斜面変化を読み取り、できるだけ減速要素を排除した構成で滑りきった選手に、高い評価が与えられていたようだ。
「小回り 急斜面 整地(ナチュラル含む)」で使用されたコートは、ジャイアントコース上部からボトムまでの1枚バーン。下から見ると単調なコースに見えるが、実際はスタートしてすぐに斜度が増し、後半では左下りの微妙なねじれのままゴールに飛び込むというプロフィール。ゴールゾーンも狭いため精神的なプレッシャーも高く、攻略がやさしくない。
女子でこの種目を制したのは渡邊渚(新潟県)。小柄ながらも誰よりも長い脚のストロークと深い傾きを出した圧巻の小回りで、279ptというハイスコアをマークした。2位には弥永奈々(滋賀県)、青木美和(新潟県)、神谷来美(北海道)の3人が1点差の276pt、5位には274ptの西村紗英(長野県)、その後を黒木玲名(岐阜県)、切久保香澄(長野県)、弓野華緒(北海道)、竹内さんご(愛知県)らが追うという激戦になった。
男子は 女子以上に混沌とした争いになった。なんと、武田竜(北海道)、川上勇貴(群馬県)、半田翼(長野県)、齋藤圭哉 (長野県)の4人が277ptで同点首位。今大会に総合5連覇をかけるチャンピオンの武田に、怖いもの知らずの若手たちが牙を剥いた様相を呈したのだ。もちろんその他の若手も、この状況に指を咥えていたわけではなく、川尻幸之介(富山県)は274ptをたたき出して存在感を見せつけた。
「フリー 中急斜面 整地(ナチュラル含む)」に使用されたダイナミックコースはワイドな1枚バーンだが、中盤から後半にかけてねじれがあり、斜度もさほど急でないことから、いかに最後までスピードを繋いでいくかが勝敗の分かれ目になったようだ。斜度変化を読み違え、減速要素をジャッジに見せてしまった選手には容赦なく辛い点数が出されたが、推進力あるターンとコースを読み解く戦略ができていた選手には高ポイントが与えられた。
女子は、渡邊渚(新潟県)が277ptで、この日2つ目の種目別首位を獲得。続いて春原優衣(長野県)、大場朱莉(宮城県)が275ptで同点2位、4位に274ptの青木美和(新潟県)、5位には273ptをマークした弓野華緒(北海道)が入った。
男子は奥村駿(京都府)が277ptで単独トップ。2位は275ptの武田竜(北海道)、3位には274ptで山田椋喬(東京都)が続いた。4位以降は佐藤栄一(新潟県)、尾﨑隼士(青森県)、石水克友 (岐阜県)らが並んだ。
予選2日間を終えてのトップ3は、女子は、1位 春原優衣(1.092pt)、2位 弥永奈々(1.087pt) 、3位 青木美和(1.085pt)。ディフェンディングチャンピオンの渡邊渚は1,081ptの6位で予選を終えた。男子は、1位 武田竜(1.099pt)、2位 奥村駿 (1.094pt)、3位 川上勇貴(1,093pt)という僅差の展開。さらに4位には今大会で勢いのある穴田玖舟(1,086)がくらいついており、余談を許さない状況だ。
明日はいよいよ決勝。ますます熾烈を増しそうな第61回技術選に注目だ!
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