大会４日目、スーパーファイナル。４日間にわたる激戦の最終日だ。ルスツリゾートは、夜のうちに若干の降雪があったものの相変わらず硬く締まったバーンコンディションがキープされていた。

この日の４種目は、「大回り 急斜面 整地（ナチュラル含む）」、「小回り 中急斜面 不整地」、「小回り リズム変化 急斜面 整地（ナチュラル含む）」、「フリー 急斜面 整地（ナチュラル含む）」で、大回り（タイガーコース）と小回り不整地（ダイナミックコース）が同時並行、続いて小回りリズム変化、最後にフリーという順序で行なわれた。

決勝までの成績は、女子が1位渡邊渚（新潟県）、2位青木美和（新潟県）、3位春原優衣（長野県）。男子は1位武田竜、2位奥村駿（京都府）、3位には川上勇貴（群馬県）と齋藤圭哉  （長野県）が同点で並ぶという順位で、女子1位の渡邊と2位青木のポイント差は４pt、青木と3位春原の差はわずか3pt、男子も同点3位の川上と齋藤に尾﨑隼士（青森県）が3点差で迫るという激戦だった。

「大回り 急斜面 整地（ナチュラル含む）」では、女子の１位に黒木玲名（岐阜県）、2位春原優衣（長野県）、3位には青木美和（新潟県）、弥永奈々（滋賀県）、野々山颯絵（東京都）、弓野華緒（北海道）が並び、渡邊渚（新潟県）は11位とやや出遅れた。

男子は1位齋藤圭哉（長野県）、2位に武田竜（北海道）と唐沢航希（長野県）が並び、奥村駿（京都府）、尾﨑隼士（青森県）、半田翼（長野県）が４位で後を追う展開。

「小回り 中急斜面 不整地」では、女子の１位に280ptをたたき出した野々山颯絵（東京都）と勝浦由衣（北海道）、３位春原優衣（長野県）。野々山は不整地でも好調ぶりを発揮した。

男子は、武田竜（北海道）が282というスーパースコアで１位、２位には穴田玖舟（北海道）と山野井全 （北海道）が入り、尾﨑隼士（青森県）、石水克友（岐阜県）、 須川尚樹（北海道）らが４位となった。

タイガーコースを使用した「小回り リズム変化 急斜面 整地（ナチュラル含む）」では、287ptというミラクルスコアで渡邊渚（新潟県）が女子１位。青木美和（新潟県）、野々山颯絵（東京都）、神谷来美 （北海道）が２位につけた。

男子は、奥村駿（京都府）が288ptという大会最高スコアをマークして１位、２位に285ptの武田竜（北海道）と山田椋喬（東京都）、４位に284ptの齋藤圭哉（長野県）、穴田玖舟 （北海道）というハイレベルな戦いとなり、会場を大いに沸かせた。

スーパーファイナル３種目を終えた時点での順位は、女子が１位渡邊渚（新潟県）3,026pt、２位青木美和（新潟県）3,020pt、３位春原優衣（長野県）3,015pt。男子は、１位武田竜（北海道）3,063pt、２位奥村駿（京都府）3,038pt、３位齋藤圭哉（長野県）3,036pt。つまり女子は、１位から３位までワンミスでひっくり返ってしまう接戦、男子は２位と３位が僅差の戦いとなっていた。

タイガーコースの急斜面で行なわれた最終種目の「フリー 急斜面 整地（ナチュラル含む）」は、女子が１位渡邊渚（新潟県）、２位青木美和（新潟県）、３位春原優衣（長野県）。男子は、なんと武田竜（北海道）、奥村駿（京都府）、齋藤圭哉（長野県）、川上勇貴（学連）の４人が同点で１位をマークした。

この結果、女子の最終成績は１位渡邊渚（新潟県）3,311pt、２位青木美和（新潟県）3,304、３位春原優衣（長野県）3,298pt、４位弥永奈々（滋賀県）3,288pt、５位西村紗英（長野県）3,286pt、 ６位大場朱莉（宮城県）3,284pt。

男子最終成績は、１位武田竜（北海道）3,348pt、２位奥村駿（京都府）3,323pt、３位齋藤圭哉（長野県）3,321pt、４位尾﨑隼士（青森県）3,308pt、５位川上勇貴（学連）3,308pt、６位穴田玖舟（北海道）3,306pt。

新時代の旗手たちがテクニックの開拓者となって、ベテラン勢に真正面から戦いを挑むという構図がはっきりと見えた今大会。それは、若い力によって新たなターン技術の創造と技術選におけるテクニックの価値観に大きな変化をもたらされたとも言いかえることができるだろう。同じく北海道ルスツで開催される予定の第62回大会では世代交代の波が一気に押し寄せるのか、ベテラン勢が待ったをかけるのか、今から楽しみが尽きない。