滑走後のコンディショニング&ケア
レッスン
滑り終わったあと、どんなケアをしていますか?
スキーは滑走中の関節の動きが大きくないため、関節本来の可動域がだんだんと狭まっていきやすくなります。たとえば足首や膝、股関節に関しては、深くしゃがむような動作はほとんど出ませんし、肩周りなど上半身に関しては、滑走中は安定が求められるため、大きく可動することは少ないのです。しかし、関節は筋肉によって動かされるものであり、関節や筋肉の動きが悪くなれば、姿勢が悪くなり身体の動きにも影響が出てきます。ここで紹介するケアは、滑走中に固まりやすい部分や疲労のたまりやすい関節や筋肉に注目し、本来あるべき可動域にしっかり戻すことで、身体の動きをきちんと保っていくことが狙い。しっかりケアして、シーズンを通じて滑走を楽しみましょう!
上半身のケア
背骨ほぐし
胸の下にストレッチポールなどを置き、胸を反らせるような体勢をとります。腰が反らないように注意してください。しっかり胸を開きながら、背骨を動かすことで、良い姿勢に戻すことが狙いです。ストレッチポールがない方は枕などで代用してやってみましょう。大きな深呼吸を5回ほど繰り返しましょう。
脇ほぐし
四つんばいの姿勢から椅子などに肘を置き、両腕の間に頭を沈めるようにして脇の下を伸ばしていきます。ここでも、伸びた状態で深呼吸を5回程度繰り返しましょう。脇周りがしっかり動くことで、胸の開きも良くなり姿勢の改善にもつながります。小さな範囲でも、動かせるところから動かしていきましょう。
背中ほぐし
両膝を90度に曲げ、後ろの足の膝、股関節、肩が一直線に並ぶような位置に肘を置き、写真のような体勢をとります。そこから、上半身を覆い被せるようにしながら、腕を遠くに伸ばしていきます。伸びた姿勢で、ゆっくり深呼吸を5回程度繰り返しましょう。体側の柔らかさは、外力を受け止めるための柔らかな姿勢作りに直結します。
下半身のケア
お尻&外ももほぐし
四つんばいの姿勢から片足を後ろへ伸ばし、もう片方の足にクロスさせるようにして写真のような体勢をとります。そこから、お尻を後ろに引くようにして、お尻の筋肉を伸ばしていきます。伸びた状態で深呼吸を5回程度繰り返しましょう。クロスさせる角度を深くすることで、広範囲にわたってお尻の筋肉をほぐすことができます。
内ももほぐし
四つんばいの姿勢から、片脚を真横へ伸ばし、写真のような体勢をとります。そこから、お尻を後ろに引くようにして、内ももの筋肉を伸ばしていきます。伸びを感じるところで、深呼吸を繰り返しましょう。
解説=片岡嵩弥(右)、須川尚樹(左)
かたおかたかや●1996年12月24日生まれ、北海道小樽市出身。幼少よりスキーに親しみ、高校生までジュニア技術選に出場。大学進学を機に、技術選と並行してアルペン競技にも取り組む。卒業後は、プロスキーヤーとして朝里川温泉スキー場をベースに活動。ベストリザルトは第59回大会の総合10位。朝里スキースクール所属。SAJナショナルデモンストレーター2期
すがわなおき●1990年5月22日生まれ、北海道札幌市出身。3歳からスキーを履き、中学生までジュニア技術選に熱中。高校からアルペンスキー競技を始め、大学進学後も競技スキーを続けながら、大学2年時からは技術選に参戦。卒業後は北海道を拠点にプロスキーヤーとして活動。第59回大会ではベストリザルトの8位入賞を記録。SAJナショナルデモンストレーター3期