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東レの防水透湿素材 Dermizax®がつなぐ信頼の関係

第60回技術選のビブスポンサーを務めた東レの防水透湿素材「ダーミザクス」は、白馬八方尾根SSのウエア・通称「赤服」に、28年前から使われている。

今回、スクールを率いる太谷祐介校長と、ダーミザクスを販売する日置綾香さんへのインタビューが実現。

素材を作る側と使う側、それぞれの第一線にいる両者が、技術選での縁をきっかけに初めて顔を合わせることとなった。

鮮やかな赤に、リーゼンスラロームコースを滑るシュプールをモチーフにした、白のラインがデザインされた赤服

名門スクールの活動を支える
防水透湿素材ダーミザクス

創立76年の歴史を持ち、日本屈指のデモンストレーターを数多く輩出してきた白馬八方尾根スキースクール。インストラクターが着用する赤いスキーウエアは、スクールの象徴として彼らの活動に寄り添い、「赤服」という通称とともに広く知られている。この赤服には、今年3月の全日本技術選でビブスポンサーを務めた東レが誇る「ダーミザクス」が、1‌9‌9‌5年の誕生当初から使用されてきた。

「僕たちは早ければ11月にシーズンインをして、5月まで活動をします。その約半年間、同じ1着のウエアを着るのですが、極寒の日や大雨が降った日、気温が高い日でもあまりストレスがないなと思っていました。軽くて動きやすいのに、しっかり防水も効いている。それでいて、蒸れないんです」

スキースクールの校長を務める太谷祐介が感じていた快適さが、まさにダーミザクスの特徴。外から入る雨水などを防ぎながら、内部の湿度は放出してくれる「防水・透湿」の機能を備えた生地が、1日のなかでも天候や気温が変化しやすい八方尾根での活動を支えている。

東レのスポーツ・衣料資材事業部に所属する日置綾香さんは、生地の開発や販売などを担当。今年3月の技術選に足を運び、ダーミザクスを使用したウエアで戦う選手の姿や、大会の運営をサポートするスキースクールの活動を初めて目にしたという。

「普段は、縫製商社に素材を納めるところまでが私の担当ですので、ウエアを使っていただいている姿を見るのは技術選が初めてで、とても感銘を受けました。今回こうしてスキー場に出向いたり、貴重な感想を伺ったりする機会をいただけて、こだわりを持って素材作りを続けてきてよかったなと、感謝と安堵の気持ちでいっぱいです」

国内外のブランドで使用され、高い評価を獲得してきたダーミザクスのラインナップは3種類。防水性を重視した「プロテクト」と、バックカントリーなどに適している、透湿性を重視した「ブリーズ」。そしてその中間に位置する、防水性と透湿性のベストバランスを追求した「バランス」。赤服にはこのうち、バランスタイプの素材が採用されている。

いいウエアを着ているから
いいサービスが提供できる

自身もスクールでの活動を始めて27年目を迎える太谷校長。赤服を着用することは〝重責〟だと語りつつ、最高の技術とホスピタリティを提供しようという思いで身が引き締まるという。

「いい生地を使う、いいウエアを着るということは、サービスの質を守ることにもつながります。たとえば、僕たちも人間ですから、寒いと感じながら活動していたらサービスの質も維持しにくいはず。だから、これまでの活動の裏に、これほどの熱量でウエア作りに取り組んでいる方々がいたことを知って、感謝とともに誇らしさを感じました。皆さんのためにも頑張りたい思いと、これからさらにいいサービスを提供していける自信が強く湧いてきました」

この言葉に対し、日置さんも「一流のスキースクールと長くお仕事をさせていただいていることは、私たちにとっても誇りです。それと同時に、このお付き合いに恥じない素材作りをしなければと、改めて感じました。これからも、雪山での快適な活動を後押しするためにベストを尽くします」と応えた。

スキーウエアの素材を作る側と、使う側。お互いの熱意に触れた両者は、それぞれの活動でのさらなる飛躍を誓い合った。

「作る側」と「使う側」
お互いの誇りを胸に高みを目指す

防水性と透湿性の高い膜を貼ることで、防水しながら蒸れない生地が実現。「雨の日や春スキーの時期でも快適」と太谷校長も太鼓判を押す

外から入る雨水を防ぎながら内部の湿度は外に放出する構造

極薄の特殊な膜を使用し軽量かつしなやかな着心地を実現

防水と透湿の度合いによって3タイプを展開。赤服には、防水と透湿のバランスがとれた「バランスタイプ」の生地が採用されている
スキースクールでは最高のスキー技術を提供しつつ、雪山のプロとしての知見を生かした試みも積極的に行なっている

写真:渡辺智宏 / 文:編集部