「速さ」に必要なもの
レッスン
アルペンで培った技術を貫き、急成長する注目株が教える「速さ」の極意。徹底的にムダな動きを削ぎ落とされた技術を解き明かす!
ムダな動きを削ぎ落としていくと、やるべきことはターン前半に集約される
角づけが早い
切りかえからターン始動で、素早くスキーの角づけを行なっている。この“捉えの早さ”こそ、速さを生み出す最も重要な要素。いつでもターンが始められるポジションに素早く入ることで、前半から積極的にターンを仕かけていく。
ターンが鋭角
素早く雪面を捉えたら、両スキーのエッジにまっすぐに荷重。雪面にしっかり食い込んだスキーがしなって鋭角にターンする。必要な運動はすべてターン前半で終わっているので、後半は次のターンに向かっていくのみ。非常にシンプルだ。
基本を磨く3つのエクササイズ
お尻を持ち上げる
切りかえで重心を高い位置に戻すためのバリエーション。すねの前傾をキープし、次のターンに向かって自分の手でしっかりとお尻を持ち上げよう。このことで重心が前に移動し、ターン始動でしっかりとスキーの真上に立てる。これができれば、早くスムーズにターンが始められるはずだ。
ストックを縦に
基本ポジションを意識しながら、切りかえでしっかりと重心を移動し、ターン姿勢を入れかえていく。ターン中は外手でストックを縦に持って自分の真ん中でキープ。切りかえで重心を戻しながらストックを次の外手に持ち変える。ストックが真ん中からぶれないように注意。
ストックを十字に
今度はストックを十字に構えて行なっていく。外手はストックを縦に、内手はストックを横に構え、両スキーにしっかり乗れるバランスをキープ。切りかえでストックの構えを左右入れかえる補助動作によって、ターンポジションが入れかわる。
齋藤圭哉(さいとう・けいや)
1996年1月28日生まれ、長野県松本市出身。幼少からアルペンスキーに打ち込む。2008年、カナダで開催されたウィスラーチルドレン世界大会でGS優勝。2014年にはジュニア指定選手としてナショナルチーム入りを果たす。FIS公認レースで通算15回入賞するなどの戦歴を残し、2018年に現役を引退。2022年、舞台を技術選に移して復帰し、その年の大会で総合15位、23年には総合8位、24年には総合3位と躍進した。選手としてさらなる上位を目指す一方、地元ジュニアの育成にも力を注ぐ。乗鞍スキークラブ所属