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どんな条件でもブレないポジションのつくり方

レッスン

ポジションが整うヒップヒンジから始めよう!

ある条件は得意なのに、そこから一歩でもはみ出ると滑りが崩れてしまうというスキーヤーは意外と多いのでは? 斜度や雪質、雪面の状況などの条件が違っても、滑りの良しあしに極端な幅が出ないようにしたいものです。では、なぜ条件が変わると滑りの質も変わってしまうのでしょうか。

その根本にはポジションのブレがあります。どんな条件でもスキーのセンターに重心を置いたポジショニングをすることは基本中の基本。斜度が違うから、雪の硬さが違うから、とポジショニングを変えようとするから、条件が違ったときに滑りもまったく違うものになってしまうのです。

急斜面では恐怖心が伴いますし、ボサボサの雪ではスキーをとられるのではと不安を感じることもあります。そんな気持ちの面もあって、上体を使ってどうにかしようとしたり膝を必要以上に曲げたりすると、ポジションがブレてさらにミスのリスクが高まってしまいます。とくに検定や大会など、自分の好き嫌い、得意不得意にかかわらず指定された日時と斜面を滑るシチュエーションでは、条件に左右されない滑りのベースとなるポジショニングは絶対条件です。

今回のテーマである「ヒップヒンジ」は、その絶対条件のポジショニングを作り出す動きです。股関節を使ってスキーを自由に動かせるセンターポジションから始めれば、ターン前半の捉えや深いエッジング、カービングやずらしなど、条件に左右されない滑りを手に入れることができます。

水落亮太=解説

みずおち りょうた●1979年生まれ。新潟県出身。大学生時代までアルペンレーサーとして活躍。大学卒業後は技術選プレーヤーに転向。2016年男子総合6位、2022年9位などトッププレーヤーとして活躍し、2023年には自己最高位の5位を記録した。SAJナショナルデモンストレーターを7期務め、レッスン活動も精力的に行なっている。十日町スキークラブ所属

ヒップヒンジを使えば、圧を逃がさずセンターポジションに戻れる!

ヒップヒンジとは、股関節(ヒップジョイント)を蝶番(ヒンジ)のように動かして使う動作を指します。滑りのなかでヒップヒンジを行なうのは、切りかえから次のターン始動の局面。股関節を蝶番のように動かして腰を前に出し、スキーと一緒に重心を移動させます。その目的は、切りかえで圧を抜かずにセンターポジションに戻ること、そしてセンターポジションから次のターン前半を捉えてエッジングにつなげること。動きのヒントは、お尻をキュッと締めることです。

滑走中に生じるミスの元をたどっていくと、切りかえにおけるバランスの崩れに行き着くことが少なくありません。切りかえで後傾や前傾過多、山側に頭が残るなど、バランスが崩れてセンターポジションでニュートラルを通過していないときに、内倒や暴走、スキーがたたかれるなどのミスが起こります。また、股関節を使うことを意識せず、膝の動きだけで切りかえ動作を行なった場合にも、重心が進行方向に移動しないまま上に抜けてしまうため、次のターンのミスにつながります。

これに対して、股関節を使った運動のヒップヒンジは、腰が前に出ながら高いポジションを作ることになるので、重心がスキーと一緒に進行方向に移動します。そのため、切りかえで膝の角度が必要以上に変わることなく、雪面へ圧をかけながらターン運動をするうえでもっともバランスの良いセンターポジションに戻ることができるのです。

股関節を動かすと圧が抜けない

真横から見たヒップヒンジです。股関節に角度がついたターン後半から、切りかえに向けて股関節の角度を緩やかにしていくと、スキーと一緒に重心がセンターまで移動しています。腰を前に出しすぎて反り腰にならないよう注意しましょう。骨格上、膝の角度は多少変わりますが、必要以上に前傾していないので、重心がセンターに保たれ、雪面に圧をかけ続けています。

股関節を意識していない動き

股関節を意識せず、ただ姿勢を高くしようとすると、膝を使って真上に立ち上がるような動作になります。重心が取り残されてセンターに戻らず、圧が上に抜けてしまっています。

ヒップヒンジでセンターポジションに戻るドリル

Drill_01 切りかえでお尻を締めてスキーと腰の移動を合わせる

大回りでヒップヒンジの感覚を覚えるドリルです。切りかえに向けてお尻をキュッと締め、股関節を動かしてヒップヒンジを行ないます。ニュートラルでは少し間を作り、センターポジションに戻ることでスキーに重心がついていくことを確認しましょう。股関節を主に動かすことを意識し、膝の角度をなるべく変えないことが大切。ターン前半は外股関節を内旋して捉えていきます。

Drill_02 お尻を締めるタイミングをタイトにする

ドリル1をミドルターンでやってみましょう。やることはロングターンと同じですが、動作をより短い時間で正確に行なう必要があります。お尻をキュッと締めてヒップヒンジでニュートラルを作る〜お尻の緊張をゆるめ角づけして捉える、のタイミングを意識的にタイトにし、次のターンポジションをしっかり作ってください。

Drill_03 タメを作ってセンターに戻る意識を養う

股関節を使ってヒップヒンジする感覚を、大きな上下動を使って養います。ストックがターンの内側に倒れないよう適度な外向傾姿勢をとり、沈み込んでタメを作ります。そのタメを、スキーの進行方向に合わせてヒップヒンジで戻していきます。タメを戻すときに必要以上に前に行くのではなく、スキーの動きについていく感覚で行なってください。

Drill_04 ハンドワークを使ってスキーについていく

手の動きを補助的に使い、腰を前に進めるドリルです。ターン中はいつもより意識して手を前に出してタメを作り、お尻を締めて手を身体側に戻していくことでヒップヒンジの動きがやりやすくなります。すべての局面で手が前にあると、力んだ状態が続いて腰を移動しづらくなるので要注意。ハンドワークを使うことで前後のバランスがとれ、高いポジションを作りやすくなります。

Drill_05 ストックで腰に圧をかけてヒップヒンジを意識する

股関節を動かしてヒップヒンジする感覚を強く感じるために、ストックで圧をかけて強制的に腰を進行方向に進めます。手のひらを前に向けてストックをまとめて持って腰の後ろに当て、切りかえでストックに圧をかけて腰を斜め上・スキーの進行方向にヒップヒンジさせます。大回り、中回りのタイミングでやってみましょう。

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