野沢温泉ゲレンデ攻略ガイド
スキー場
豪雪地帯ならではの豊富な積雪に44ゲレンデ・コース。そんなビッグスケールの野沢温泉スキー場のコースからトレーニングに最適なおすすめコースをセレクト。夏はピスラボゲレンデ、冬はスキー場と一年中ゲレンデで活動する元SAJナショナルデモンストレーターの片桐貴司さんが、コースの特性を利用したスキルアップ法を伝授します。
やまびこゲレンデDコース
あらゆるトレーニングに最適
山麓から新長坂ゴンドラでアクセスし、さらに奥へと上がったところがやまびこエリア。5つのコースが広がっており、「やまびこDコース」もそのうちのひとつです。
コースの特徴としては、だいたい15度ぐらいの斜度感がある中級斜面。コース幅も広く、山頂部付近とあってやはり雪質もいいので、ベーストレーニングから高速トレーニングまで、すべての練習がしやすいところです。とくに朝一番の圧雪したきれいなバーンがおすすめで、時間がたっても比較的によいコンディションがキープされています。降雪後はほかのコースよりパウダーが残っていたりして、良い雪質を長く滑れる狙いめのコースとなっています。
僕もスクールのレッスンでよくこのコースを使っており、実践的な練習からベーシックな滑りの確認まで、いろいろな練習をしています。コースコンディションがきれいな場合は高速トレーニングで気持ちよく滑るなど、条件を見ながら、少しずつスピードを変えつつトレーニングするのがいいでしょう。
上部は混雑していることが多いが、人が少ないときは快適
やまびこゲレンデBコース
シーズンを通してコブを特訓
標高1650mの毛無山をトップに5コースが広がるやまびこエリア。「やまびこBコース」もそこにある名物コースのひとつです。
シーズンの早い時期でもコブの練習をしたいという人におすすめで、「やまびこフォーリフト」を回してひたすら練習も可能。雪質もいいですし、雪が軟らかいのでコブの滑走中に強い衝撃を受けにくく、コブを越えたあとのずらしもしやすくスピードのコントロールができます。スピードが出にくいからコブの初心者にもいいというのもポイントです。
こういったコブは、エキスパートなら初歩的な基本からじっくり練習するのに最適。コブ初心者から上級者まで幅広く練習できるいいバーンだと思います。シーズン後半までずっとコブがあり、雪が軟らかくなる春はコブをひたすら特訓するのにおすすめです。
平均17度のほどよい斜度で、長さもそれなりにある
やまびこゲレンデAコース
リズム変化の習得をするならココ!
「やまびこAコース」は、やまびこエリアの山頂リフト「やまびこフォーリフト」を降りて左側のコース。約1200mのロングコースになっています。
コースの特徴は、常に斜面変化があることでしょう。縦の変化であったり横の変化であったりと、斜面変化に富んだコースです。その状況がコースの始まりから終わりまで続いており、1本でいろいろな滑りができるコースとなっています。
滑る際は、ロングクルージングを楽しむように長い距離をいろんなバランス、いろんなタイミングで、ときには自然地形に合わせてリズムを変えて、さまざまな滑りをするといい練習になるでしょう。いつも同じタイミングでターンをする滑りばかりをしていると、なかなかコース状況に合わせた滑りができなくなってしまうと思います。「やまびこAコース」のような変化に富んだ長いコースは総合的な滑りの練習に最適です。滑りながら、斜面に合わせて動きのタイミングを変え、そして気持ちよく滑ることが上達への糸口になるでしょう。
最後の落ち込みの片斜面はターンが偏らないようにバランスを意識
チャレンジコース
スピードトレーニングに好適
中腹の「チャレンジコース」もおすすめしたい練習バーンです。斜度があり、全体的にすり鉢状の形状になっている独特のレイアウトで、片斜面の地形のなかで左右のターンをするかたちになります。長く続く片斜面でスピードを出しつつ、ターンがきちんと左右均等になるようにバランスを意識することが大切です。
急斜面のトップからハイスピードでターンしていくと、後半は斜度がゆるくなってきます。その斜面変化で左右のバランスが崩れやすくなりますので、そこも注意したい点。斜度が変わるポイントで前後のポジションを変えるなど、状況に合わせた滑りを意識しながら滑るのがおすすめ。斜面が緩やかになって速度が落ちてきそうなバランスではなく、上からのスピードをしっかり下へとつなげていく前後バランスに気を付けながら滑り続けるのがポイントです。
片斜面を上から見た様子
日影ゲレンデAコース
ベーシックな動きの確認に
日影ゴンドラ下部は緩斜面やキッズパークなどビギナーやファミリーに人気のエリアです。ここにある「日影ゲレンデAコース」は初心者だけではなく、エキスパートもトレーニングによいコース。横に広いコースはレッスンに最適でよく利用しています。実践的なトレーニングもできますが、基本の動きを確認するベーストレーニングにとてもいいコース設定になっています。
ベーシックトレーニングをするなら鳥居の上あたりからスタートするのがおすすめです。一例として、左右の腰に手をあてて滑るものがありますが、これはスキーにしっかり体重がのっていることを確認しながら、左右や前後のバランス、ポジションなどをチェックするトレーニングです。こうしたトレーニングを、急すぎず緩やかすぎず、比較的にフラットな斜面で行なえます。
ゴンドラでゲレンデ上部に向かうなら、まずこのコースでベースの動きを確認し、それから「チャレンジコース」などでスピードトレーニングに移行していくのがおすすめです。
横に広い開放的なコース。通るルートで斜度感が変わる
野沢温泉スキー場
長野県下高井郡野沢温泉村大字豊郷7653
tel:0269-85-3166