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合言葉は「キャッチ・アンド・ゴー!」

レッスン

雪をつかめば力強いカービングが描ける!

ターンは、前半でポジションを整えて雪をつかむ「キャッチ」、キャッチしてから積極的に圧を加えてスキーをたわませる「アンド」、たわんだスキーの反動をスキーの走りにつなげる「ゴー」と3つの局面に分けられます。そして、これらを「キャッチ・アンド・ゴー」としてつなげると、スキーの性能を引き出し、ハードな状況でも切れと走りのある質の高いカービングターンを連続できるようになります。

それぞれの局面を、詳しく説明します。「キャッチ」はターンが切りかわって雪面をつかむところです。ここではポジションを整えてスキーの真ん中に乗り、動ける足場を作り出すことが大切です。「アンド」はキャッチしたところから積極的に荷重してスキーのたわみを引き出し、「ゴー」するための準備局面。そして「ゴー」は、たまった圧を解放し、スキーの反動を使って移動する局面で、ここが走りとなって現れます。

大前提として、「キャッチ」ができなければ「アンド」も「ゴー」も作り出すことはできません。トレーニングは「キャッチ」することから始めて、しっかり雪面をつかめるようになったら「アンド」「ゴー」につなげていきましょう。

「キャッチ」するためのエクササイズ

Ex.1 ストックを両脇に挟んで体幹にバランスを置く

頭の位置が前後して後傾、前傾過多にならないよう、ストックを両脇に挟んで滑ります。手でバランスをとるのではなく、頭から足元までを1本の軸にして体幹に近いところにバランスを置く感覚を養います。バランスをシビアに感じられるので、自分の姿勢の癖や課題を認識するにも良い方法です。

Ex.2 腰に当てたストックを傾けて外を意識する

ストックを腰の後ろで持って、ターン外側にグーッと傾けながら滑ります。外手が上がると外腰も浮きやすいので、内倒せずに外股関節をしっかり外に乗せることにつながります。股関節、膝、足首、そして肩のラインを斜面と平行にすることを心がけましょう。傾けすぎだろうと思うくらいオーバーに動いてください。

Ex.3 ストックを持ちかえて外手を腰、内手を前に

外手でストックを持って腰に当て、内手を前に伸ばしてターン。切りかえでストックを持ちかえます。外腰に外手を当てるとローテーション予防になります。また、持ちかえ動作で姿勢を高くすると外から一度戻って外への間を作れるので、次のキャッチへの意識が明確になります。

Ex.4 外ストックで雪を削りながら滑る

両手を広げ、ターンに合わせて外ストックでターン外側の雪を削ります。外スキーにしっかり乗れていなかったり、内手が下がって肩や股関節のラインが斜度に合っていなかったりするとストックが雪面まで届きません。骨盤を立てた状態で股関節を曲げるように柔軟に使い、引きずるより削るという強めの意識を持ちましょう。リズムを変えて行なってください。

「アンド」「ゴー」するためのエクササイズ

Ex.1 ストックを持ちかえて外手でブーツを触る

キャッチの「Ex.3」では外手を外腰に当てましたが、さらに重心を下げるために大きく動いて、外手でブーツを触りにいきます。意識したいのはいちばん低いところから姿勢を戻す動き。いちばん低いところから姿勢を戻すことで、上下と前後のバランスが求められます。力が抜けないように、股関節をターン内側に向ける意識で行なうと、後傾姿勢も出ず、低い姿勢がとれます。

Ex.2 スピードを落とし、ノ−ストックで外手でブーツを触る

Ex.1の動きをノンストックでスピードを落としてやってみましょう。ずれながらでもかまいません。低速では身体を傾けてごまかすことができませんので、上下、前後の動きをしっかり行ない、股関節を使って外に乗り、両スキーを同調しないと、後傾したり内脚が残ってスキーがハの字になってしまいます。

Ex.3 両手をももの後ろで組んで輪を作る

切りかえ時に手を顔の高さで合わせて高い姿勢になり、その手を外脚の太ももの裏で組んでターンをします。最初は両手で太ももの裏を触るくらいでもかまいません。低い姿勢で膝を緩めずエッジを立てる練習です。股関節が悲鳴を上げそうですが、それを避けるには股関節をターンの内側に傾け、両肩を外側に寄せるのがポイントです。

Ex.4 外手を内もも裏に当て、両もものスタンスを平行に保つ

内脚の関節を使い両脚を平行にするために、ターン時に外手を両太ももの間に挟みます。あえて手で邪魔をすることで、太ももが絞られてX脚になるのを防ぎ、足と股のスタンスの差が縮まります。同時に、内手を頭の上に上げることで、肩のラインと腰のライン、斜度の平行を作り出せます。

栗山未来=解説

くりやま・みく●1985年11月9日生まれ、富山県出身。2014年の技術選で女子総合6位を記録してSAJナショナルデモンストレーターに初認定(現在6期)。2017〜19年に技術戦総合3連覇を果たし、22年には4度目の頂点に立つ。2023年インタースキー日本代表。GALA湯沢スキースクール所属

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