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スキーの楽しみを広げるための選択

ギア・アイテムインタビュー

太谷敏也×Völkl PEREGRINE Series

2022年、白馬八方尾根で行なわれた第59回大会を機に全日本スキー技術選手権大会から引退した太谷敏也。現在は、地元・白馬をベースに競技と基礎の垣根を越えてコーチとして多忙な日々を送っている。そんな太谷が今、どのような基準でスキーを選んでいるのか取材した。

朝、8時にリフトが動き出すとしたら、その時間に合わせて6時に起き、朝食をはじめ雪上に立つための準備をしてスキー場に向かう。そして、午後1時半頃まで選手たちのトレーニングをみる。その後、1時間ほど自分で滑って帰宅。夕方、自分の会社で請け負っているチューンナップを行ない、その日撮影した選手たちのビデオをチェック。翌日のトレーニングの課題や内容を考えて、夕食。そして、9時には床につく。

これがシーズン中の太谷敏也の日常だ。今、太谷は白馬中学校や八方尾根スキースクールのジュニアチーム、フォルクルデモチームのU-18や学生チームなどのコーチを務めている。

「はじめレーシングのコーチはお手伝いぐらいの話だったのですが、いつの間にかメインコーチになっていて。子供たちが相手ですから、スキー技術だけを教えていればいいわけじゃなく、幅広いことまで面倒をみなければならないのは大変です」

雪が積もれば、シーズン中毎日、ほぼ休みなくコーチとしての仕事が続くという忙しさだが、そう話す太谷の顔は充実感に満ちている。

「自分の競技人生が終わってからは、次世代を担う子供たちの育成に一番の重きを置いてやってきました。レーシングはもちろん、技術選で活躍できるような選手を子供たちのなかから育てることが目標です」

コーチとして大切にしているのは、つねに自分もフィールドに立つことだという。

「自分が滑って楽しまないと、子供たちにスキーのいろいろな楽しさを伝えられないだろうし、技術的な部分でも今のスキーの感覚が抜けたら、うまく伝えることはできなくなってしまうと思う。だから、滑れるコーチでいたいし、それをめざしてやっています」

ポールに入る前の基礎練習はもちろん、雪が降った日の新雪や荒れたバーンなど、さまざまな斜面を子供たちと一緒に滑っている。

「いろいろな状況の斜面を滑ることにスキーの楽しさはあるし、その楽しみのなかにスキー技術の本質はあると思う。だから、選手はやめてもスキー勘はなくしたくない」

おおたに・としや●1982年2月24日生まれ、長野県白馬村出身。小学校3年で八方ジュニアに入り競技スキーを始める。大学卒業までレーサーとして活躍したのち、全日本スキー技術選手権大会へ出場。約20年の間、トップ選手のひとりとして上位を争う。2022年、八方尾根大会で引退したのち、地元白馬ジュニアや白馬中学のレーシングコーチ、フォルクル・デモチームのコーチとして精力的に活動している。「味」にこだわり米づくりを行なう農家でもある

ペレグリン72という選択

そんな太谷がシーズンを過ごす相棒として選んでいるのが、フォルクルのオールマウンテン・ピステモデルに位置づけられる「ペレグリン72」だ。なぜレーシングモデルやデモモデルではなく、ペレグリンなのか。

「コーチは、新雪が積もってフカフカの斜面に入ってコース状況を確認しなければならないときもあるし、選手と一緒に滑らなければいけないときもある。レーシングのスキーは攻撃的に滑れるし、その感覚を自分のなかに入れて研ぎ澄ませておかなければならないけれど、いろいろなシチュエーションに入っていくことや今の自分の体力、技術など総合的に考えると、ペレグリンがちょうどいい」

センター幅72~84mmのなかに12モデルがそろうシリーズのなかでも、ペレグリン72はもっともセンター幅が狭く、グルーミングされたバーンでのカービングからちょっとした新雪やナチュラルバーンまで、幅広いシチュエーションで滑ることを楽しめるモデルだ。

「ペレグリン72はセンター幅が72mmあるので、足元がしっかりしていて安定感があり、バランスが取りやすいことが特徴です。滑走中の感覚として、スキーのセンターがしっかりと雪面をグリップしてくれ、そのグリップ力をベースにトップが上がってくるような感じでたわんでターンしてくれます。レーシングのスキーは、まずトップが雪面をとらえて、それからセンターがたわんでいって雪面をとらえる感じです。だから、鋭く、攻撃的に滑れるんですが、バランスという意味ではシビアさもある。それに対してペレグリンは、自分がターンしていきたい場所でスキーのセンターが雪面をとらえてくれるので、バランスが取りやすくて安定して滑ることができます」

ペレグリン72がもたらすバランスの取りやすさと安定感。それは幅広いレベルのスキーヤーが体感できるものだという。

「ペレグリン72なら、身体に近い場所でセンターが雪面をとらえてくれるので、エッジで雪面をうまくとらえることができず脚がなかなかそろわない人でもパラレルターンになりやすい。そんなやさしさがありながら、テクニカルレベルのスキーヤーでも十分に満足させるポテンシャルの高さがある。そういう意味で使える対象のレベルはとても幅広いと思います」

もうひとつペレグリン72には見逃すことができない特徴があるという。

「ペレグリン72のもうひとつの特徴は、ゲレンデコンディションを選ばないことです。奇麗にグルーミングされたバーンはもちろん、午後になって少し荒れたバーンや春のザブザブな雪でもまったく気にならず、雪を突き抜けてカービングしていくことができます」

競技をするのならレーシングモデル、パウダーをねらうならファットスキーというように、シーンに合ったスキー選びがある。では、ペレグリン72というスキーは、いったいどんなスキーを楽しませてくれるのだろうか。

「ペレグリン72というスキーは、人それぞれに異なるスキーの楽しみ方に幅広くこたえてくれるモデルだと思います。雪のコンディションやバーン状況を選ばずに滑ることができるので、スキーを今まで以上に広く楽しむことができると思います。もっともっとスキーを楽しみたいという方に、ぜひ注目してもらいたいスキーです」

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