Logo Logo Logo Logo Logo Logo Logo Logo Logo Logo Logo Logo Logo Logo Logo Logo Logo Logo Logo Logo Logo Logo Logo Logo Logo Logo Logo Logo Logo Logo

THE METHOD

レッスン

本場オーストリアのレジェンドが語るメソッドには、一点の曇りもない。どんなシチュエーションでも、どんなレベルでも、目標はただ一つ。時代が移り変わろうとも揺らぐことのない、「本当に大切なこと」をリッチー・ベルガーがひも解く。

スキーをすることは、動くこと。谷回りから、積極的に

スキッディングでも、カービングでも、コブでも、荒れた雪でも。私が目指していることは、いつも同じです。いかに谷回りでターンをコントロールできるか。それができれば、均等な圧で、円いターンが描けるからです。

圧が山回りに集中し、ターン中の圧変化が大きくなってしまうと、どうしても、バランスを取るのが難しくなります。谷回りからターンをコントロールし、同じ圧で滑ることができれば、より楽にバランスが取れるようになるのです。

この「バランスがいい」ということが、スキーヤーの可能性を大きく広げてくれます。よりスピーディに滑ることもできるでしょう。急斜面などの難しいバーンにも、対応できるようになります。変化に富んだ自然のフィールドに、どんどんチャレンジできるようになるのです。

これこそが、スキーの楽しさだと私は思っています。初級、中級、上級と技術レベルが上がっても、大事なことは変わりません。「谷回りでターンをコントロールする」技術をしっかりと身につけ、スキーの楽しさをさらに広げていきましょう。

谷回りでコントロールするための3つのキーワード

90度

ターン始動で斜面の傾きに対して身体が90度になるようにポジショニングすると、谷回りからしっかりとスキーのセンターに乗ることができる。低いポジションのまま、身体が後ろに残った状態でターンに入ってしまうことのないよう、重心を前に運ぶ意識を持とう。

スイング

ターン始動で斜面に対して90度に立つことができたら、今度はそこからターン外方向へと脚を伸ばす動きを使って、スキーを外へ外へとスイングさせていく。このことで谷回りからしっかりと圧を捉えながら動くことができ、ターンを自在にコントロールできる。

トップからテールまで

スイングするときに陥りがちなのが、テールだけを振ってしまうこと。スキーが軽くならないよう、あくまで90度のポジションを維持し、スキーのセンターにしっかりと荷重していく意識を持とう。トップからテールまで、スキー全体に圧をかけていくことが重要だ。

 

谷回りでズレを使ってコントロールするためのエクササイズ

スノープラウターン

谷回りでスイングする動きを、プルークターンの中で行なっていく。除雪車(スノープラウ)のように外スキーで雪を押すことを意識しながら、スイングするのがポイントだ。こうすることで圧をしっかり受け止め、谷回りでターンを仕掛けることができる。

シュテムターン

プルークで行なった外スキーのスイングを、シュテムターンの中で行なっていく。ポイントは、谷回りで外脚を開き出す動作。外脚はあえてリフトせず、雪面に触れた状態のまま雪を押しながら開き出すことを意識してほしい。外スキーに圧を感じながら行なっていこう。

クイックスイング

シュテムターンで行なった谷回りの動きを、テンポよく行なっていこう。谷回りで外スキーをスイングしたら、山回りで内スキーを素早く引き寄せる。これができたら、同じリズムでスキーをパラレルにすれば、ベーシックパラレルターンへとスムーズに移行できる。

スキーを引き戻す

ターン始動時に足を後ろに引いて、スキーを身体の下に引き戻すエクササイズ。このことで90度のポジションにスムーズに入ることができ、センターにしっかり乗った状態からターンを始めることができる。谷側への重心移動に加え、こういった足元の操作も有効だ。

エッジングを強めていくためのエクササイズ

ステップターン

乗ってきた外スキーを足場に、切りかえで山脚をステップするエクササイズ。ターンの終わりにエッジングを強めることで、しっかりと足場をつくってステップできる。そこから、ステップした脚を軸に90度のポジションをつくり、そのまま外方向へスイングしていこう。

スキーを前後に

ターン始動でスキーを後ろに引き、ターン後半に向かって前に動かしていく。このことで後半のテールのズレが抑えられ、最後までしっかりとエッジングできる。こうしてターン中の圧をしっかりとコントロールすることが、スピーディなターンへとつながっていく。

内スキーを上げる

ターン始動からしっかりと外スキーのセンターに乗り、スムーズにターンに入っていくためのエクササイズ。内スキーのテールを上げる補助動作を使ってしっかりと重心を前に運び、より的確に90度のポジションをつくる。後傾だとトップが上がってしまうので注意。

積極的に動いてプレッシャーをコントロールするためのエクササイズ

外スキーを上げる

谷回りで外スキーを上げ、内傾を取るエクササイズ。大切なのは、上げた外脚を空中で伸ばし、スイングさせること。この「エア・スイング」ができたら、同じことを接地した状態で行なってほしい。そのことで、カービングでも谷回りから積極的に動けるようになる。

 

Richard Berger(リッチー・ベルガー)

1968年3月23日生まれ、オーストリア・シュタイヤマルク出身。1990年、オーストリア国家検定スキー教師の資格を取得。1991年、サンアントンにて開催されたインタースキーのオーストリア代表を務めた。1998年、第3回国際スキー技術選にて総合優勝。その後も毎シーズン来日し、華麗な滑りで多くのファンを魅了している

NEWS

もっと見る

月刊スキーグラフィック最新号

スキーグラフィック12月号●巻頭特集、奥村駿の「こだわりのターンフィーリング」。シチュエーションや雪質などに合わせて微妙な調整を行なっているという奥村は、繊細な感覚にこだわって滑ることでターンは大きく変化するという。上達のためのエッセンスをDVD+QR動画連動でお届け。●第2特集は、岡田慎「スキーの真上で大きく動け!」技術のトレンドが変わっても大事なことは変わらない、と言う岡田の大切にする、安定をもたらす「全方位型ポジション」のトレーニングをDVD+QR動...

……続きを読む

最新号について

バックナンバーはこちら