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フィンランド発のポールブランド「ONE WAY」世界を彩る

北欧・フィンランドで20年前に生まれたポールブランド「ONE WAY」。

ノルディックで世界的に認知されている高品質ポールが3年前、アルペンシーンにデビューした。

その機能性に加え、北欧の血統らしくシンプルかつ雪上に映える色使いでも注目され

アルペンレースはもとより、日本の技術選シーンでも存在感を示している。

2023/24シーズンからワンウェイを使用するドイツの技術系エース、ライナス・シュトラッサー。ワールドカップでは、2勝を挙げたSLで種目別2位、総合でも9位とキャリアハイを達成した

ワンウェイは、’18年に本社をオーストリアに移したのを機にブランドリニューアルに着手、’21年にアルペンポールの製造・販売を開始した。ただ実質的にそのポールが世界中のスキーヤーの目に触れたのは、翌22/23シーズンのワールドカップでのこと。このクッションを置いたことについて、責任者のセベリン・レーナーは「ワールドカップで活躍する他のブランドに負けない製品を作るためだった」と述べている。そして満を持してワールドカップにデビュー。3人の選手がワンウェイとともにレースに臨んだ。

その1人であるスイスのスラローマー、ダニエル・ユールはテストでも好感触を得たという。そして「決定的だったのは、私のフィードバックがすぐに反映されたことだ。アルペンでは新しいブランドだが、彼らの高いモチベーションを感じた」と、感謝と称賛をコメントしている。

23/24シーズン、ワンウェイはさらに飛躍。1月21日にキッツビュール男子SLでドイツのエース、ライナス・シュトラッサーがワンウェイとともにシーズン1勝目を挙げると、続くシュラドミングも連勝。さらに次戦のシャモニーでは、歴史的な大逆転でユールが優勝し、ワンウェイは3連勝を果たしたのだった。シュトラッサーはSLの種目別で総合2位というキャリアハイを達成した。他にも技術系ではラモン・ツェンホイザーン(スイス)、AJ・ジニス(ギリシャ)、アルバート・ポポフ(ブルガリア)、スピード系ではエリアン・レート(フィンランド)がワンウェイとともに戦った。

日本でも技術選にデビューを果たし、その高い品質と機能性で存在感を示し始めている。伸縮タイプの「RD CARBON VARIO」を使用する元ナショナルデモンストレーターで、インストラクターとして豊富な経験を持つ渡部秀文は「伸縮タイプはウエイトのバランスでロック部分に重量を感じるものもありますが、ワンウェイのポールはそれを感じません。手首から先端のチップまで一体感があって、ダイレクトな動きが伝わります。それに雪面に強く突いてもロック機能がまったく緩まないので、コブでも安心して攻められます」と話す。また、レーサーとしても国内トップクラスの実力を持ち、技術選にも挑戦している宮本慎矢は「SLモデルと同じ『エルゴグリップ SLプロ』なので、グリップにパワーが伝えられ、技術選でもスタートから漕いでリズムが作りやすかったです」とレーサーならではのフィーリングを語っている。

RD CARBON VARIOは、敏感なアンテナを持つスキーヤーの間で認知され、23/24モデルは完売したという。トレードカラーのフレームのように、来季のワンウェイ人気はさらに燃え上がることだろう。

2024/25 LINEUP

アルペンスキーと言ってもカテゴリーはさまざま。ワンウェイではレーシングをはじめ、あらゆるジャンルのポールを取りそろえている。どのモデルも人間工学に基づいたグリップ形状や、競技特性、シチュエーションに最適化されたシャフトの素材とその組み合わせなど、デザイン性の中にも質実剛健な北欧の血統が感じられる。また、好みのカラーのパーツを選び自分でポールを作るGTXシステムも画期的。そんなワンウェイの数あるコレクションの中から、24/25シーズンのイチ推しモデルをピックアップした。

世界で戦うトップレーサーからのフィードバックを基に開発されたレーシングモデル。

ワールドカップ・デビューをきっかけに日本のレーサーたちの間でも注目されはじめ、使用する選手が増えている。

RD 16 GS PRO(左)   30,800円(税込)

  • Length (cm):110-1255cm)、140KIT
  • WEIGT (g):344125cm
  • Shaft (mm):16.9
  • Gripエルゴ・グリップ・プロ

GSレーシングモデル。エアロシェイプのシャフトはアルミニウムとカーボンの二層構造で強度に優れる。人間工学から生まれたグリップは高速滑走時でも確実なホールド感を生み出す

 

RD 16 SL PRO(左)   30,800円(税込)

  • Length (cm):110-120(5cm)、140(KIT)
  • WEIGT (g):278(125cm)
  • Shaft (mm):16.9
  • Gripエルゴ・グリップ・SLプロ

SLレーシングモデル。上部のアルミニウム素材にカーボンシャフトを貫通させゲートアタック時の耐衝撃性強化と軽さを両立。グリップエンドの形状は正確な握りを確保。シャフト下端部はアラミドでエッジからガード

ワールドカップのSLで7勝を挙げているスイスのダニエル・ユーリ。自らのフィードバックが製品に即座に反映されたことについて「レーサーにとって最も大切なこと」と、プロダクトチームを称賛した
国スポ(旧国体)で優勝1回を含む7度の入賞を誇る光井恭平。第102回全日本選手権のジャイアントスラロームでは5位、100回大会では3位表彰台も経験するなど、GS職人とも言える光井の手にはワンウェイのポールが握られている

ディープパウダーに出合ったら

FR CARBON VARIO PRO   27,500円(税別)

  • Length (cm):110-145(Free)
  • WEIGT (g):285
  • Shaft (mm):16/14.9
  • Gripエルゴ・グリップ・プロ

フリーライドモデル。カーボン・ファイバー&アルミニウムシャフトでスイングしやすい伸縮タイプのポール。スキーや樹木などとの接触による損傷を防ぐアラミドエッジガードを採用

デモモデルには、日本をターゲットに特別に開発された伸縮タイプのポールがラインナップ。

全日本スキー連盟の公式サプライヤー認証も取得済みで一般スキーヤーから技術選プレーヤーまで

あらゆるレベルの滑りをバックアップしてくれる。

RD CARBON VARIO   27,500円(税別)

  • Length (cm):90-120(Free)
  • WEIGT (g):263
  • Shaft (mm):16/14.9
  • Gripエルゴ・グリップ・SLプロ

オンピステモデル。さまざまなシチュエーションに対応する伸縮タイプのポール。シャフトは上部がアルミニウム、下部がカーボンで、振り出しやすさにこだわった設計がなされている

全日本選手権SL準優勝や国体優勝など、アルペンレースで多くの実績を残した宮本慎矢。出場2回目の第61回全日本技術選では、決勝の中回り・マテリアル規制で種目別3位となりポテンシャルの高さを示した。その宮本が技術選で使用していたポールがRD CARBON VARIO。「軽量ですが軽すぎないのでバランスがとりやすいですね。グリップそのものの握り感が良く、力を入れやすいグリップエンド形状なので、スタートで漕ぎやすくリズムにも乗りやすいです」。来シーズンも技術選での活躍に期待だ。

ワンウェイのポールを2シーズン使用する渡部秀文。「どこかにウエイトのバランスを感じるというわけではないので、手首でスムーズにストックを振り出せるところが気に入っています。グリップも手の形にフィットして、さらにグリップエンドの形状で、突いたときに雪面から衝撃を受けても握り外すことがありません。長さ調整部分のロック機能も信頼性が高く緩みは皆無。とくにコブでの緩みは大きなミスにつながりますが、RD CARBON VARIOは安心して攻められます」と使用感に満足の様子。

好みの組み合わせは?

GTX 14   13,200円(税別)

  • Length (cm):140(KIT)
  • WEIGT (g):285(KIT 140cm)
  • Shaft (mm):14.9
  • Grip2K モジュラーグリップ
  • Color:ASPHALT、FLAME、NAVY、BLACKBERRY

シャフト、グリップ、ストラップ、バスケットのカラーを自由に組み合わせてオリジナル・ポールが作れるGTX。セミ・オーダーの画期的なシステムで、ポールは自分で作る時代へ



公式ONEWAY GTXアプリをダウンロードしてあなただけの色の組み合わせを選んでみよう

写真:黒崎雅久、眞木 健 / 文:眞木 健 / 写真提供:ゴールドウイン