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「立体的な荷重」に欠かせない4つのポイント

レッスン

ターンをするうえで欠かせない「荷重動作」は、ただスキーを踏めばいい、というわけではない。ポイントは「荷重を立体的に捉えること」。それにより、流れるようにスムーズなターンを描くことに近づくという。第48回全国学生岩岳スキー大会で優勝し、SAJデモとして活躍する篠田大輝が、そんな「立体的な荷重」を手に入れる4つのポイントを解説する。

POINT_01:外回りの重心移動

外スキー(外脚)はターンの方向、サイズ、大きさを決める「アクセル」の役割で、内スキー(内脚)はハンドルのイメージで運動を行ないます。身体が外スキーから離れてしまうと、スキーに対してうまく荷重できないので、外スキーの軌道に身体の重心を乗せましょう。大事なのは「常に余力を残しておくこと」。膝を伸ばした状態ではスキーに力を加えられないため、身体、重心の位置は外スキー近くに寄せ、常に膝を曲げる意識をもちます。

POINT_02:上体&腰の向き

ターン方向を決める上体&腰の向きは、スキーより内側を意識します。腰が外れ上体が外に向いてしまうと、スキーからの抵抗は感じられても正しい荷重運動ができず、滑らかな深いターン弧が描けません。ターン前半から中盤は「内向」で、後半は「外向」という表現もありますが、僕の意識は「内向から内向」です。ターン中盤から後半にかけてスキーが上半身より内側に入り込み、結果的に「外向」ができるというシンプルな考え方で捉えるとよいと思います。

POINT_03:荷重の方向

スキーに対して垂直の荷重だけではなく、動いているスキーに対しての荷重を意識しましょう。イメージは「進行方向へ踏む」です。スキーの進行方向に膝、足首を向け、そこに腰の向きを合わせます。これによりすねが入ると同時に、足首も入るため、スムーズに外脚に力を伝えられます。

POINT_04:リズミカルな運動

身体全体のリズミカルな運動を意識しましょう。僕はターン前半から後半にかけて、一つのウエーブの中を滑っているようなイメージをもっています。ターン前半がウエーブ頂点で、ターンマキシマムにかけて一気にウエーブの底に滑り下りるイメージです。そしてターン後半にかけて、ターン前半と同じ高さまで戻ってきます。このリズムにも、やはり荷重が大切になります。重心が上体の上に動いていくと、ウエーブの底でスキーに重さを加えていけません。ウエーブでも加速するためには重心の位置と移動方向が重要です。

美しいシルエットは1発で決めるのではなく、ターンの流れの中で生まれるもの

POINT_01:外回りの重心移動

肩、腰、足首を一直線に、重心は外スキーの上へ

プルーク動作で外軸&重心移動を確認

ターン導入部分で肩、腰、足首のラインを一直線にし、内側にある障害物を避けるイメージでターン外側への重心移動を確認する。ターン弧は小さくなるが、重心がうまく外側に移動できていれば、スピードがなくてもスキーが足元を支点に回転し、スムーズにターンができる。

外ストックを突き出して重心移動と内向をイメージ

パラレルスタンスで、ターン前半で肩、腰、足首のラインを一直線になるように重心を外側に移動させる。ポイントは一直線をキープし、スキーの進行方向についていくように動かす点。ターン後半から次のターン前半にかけて、山側のスキーを階段一段分上に上げるようなイメージにすると、外回りの重心移動がしやすくなる。

POINT_02:上体&腰の向き

あえて外向を作らない! 意識は「内向から内向」

内向プルーク

プルークスタンスでスタートし、上体の向きをターン前半に内側に向ける。上半身、膝、スキーの順で動くのを感じよう。「外回りの重心移動」のバリエーションではズレを伴う運動がメインだったが、この内向プルークのシュプールは細い三日月型になり、より滑走性が高くなる。

クローチングターン

両ストックのグリップ側がターン内側を指しているのを目で確認しながら行なう。ターン前半でしっかり内向を作り、そこからスキーを踏める身体の向きを覚えるのがポイント。

POINT_03:荷重の方向

荷重は進行方向へ! スキーに合わせて身体を動かそう

腕振りでリズムを確認

ターン前半から後半にかけて外手を前に出し、同時に内側の手を後ろに引く。スキーが返ってくる反動に合わせて動かし、外手の振り出しでターンの推進力をリードするイメージで行なってみよう。次のターンに入っていく際は、外になる手を振り出しながら半身全体を進行方向に動かし、内手を引くことでターン前半で内向を作る。

POINT_04:リズミカルな運動

手を広げると同時に遠心力を感じて上体を内向させる

腕を広げてリズムよく重心移動

手を横に広げ、ターン前半で遠心力を感じる。横に開くことで、スキー外側に重心を外回りで移動させ、遠心力を感じ、上体を内向させてスキーをターン内側へ入れよう。このときに角づけを緩めないように要注意。

篠田大輝=解説

しのだだいき●2000年生まれ北海道出身。少年時代から基礎スキーに打ち込み、北海道教育大学に進学。第48回全国学生岩岳スキー大会優勝。MDVスポーツジャパンの契約スキーヤーとして活動し、2023年にはSAJデモンストレーターに初認定。第61回技術選では決勝進出を果たし、不整地種目で種目6位を記録。今後の活躍に期待がかかる。YouTubeチャンネル「篠田大輝スキーchannel」を運営

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