BODY REVOLVEー身体の回転でスキーの傾きを引き出せー
レッスン
栗山未来のシャープなターンを支えているテクニック「BODY REVOLVE(ボディリボルブ)」。回転扉をイメージし、身体を積極的にターン進行方向に回していくことで深く力強い角づけが生まれ、タフな状況下でも安定した滑りが可能になるという。今シーズンは、「BODY REVOLVE」を駆使して、シャープ&パワフルなターンを楽しもう!
軸を回せば今までよりもずっと深い角づけが可能になります!
リボルブとは「回転する」の意味。つまりボディリボルブは、「身体を回転させる」動きのことです。回転扉を思い浮かべてみましょう。回転扉は回転の中心軸の周りを円を描くように扉(ドア)が動きます。この動きと同じように、身体の中心軸をターン方向に回していくことで、質の高いカービングターンが可能になります。
ボディリボルブを覚える上で大切なのは、「脚部の動きで角づけを行なってから軸を回す」のではなく、「軸の回転と『同時に』角づけを作る」こと。そしてボディリボルブを活用すると、スキーを左右に振り出す動きではなく、エッジを雪面にグリップさせたままたわみを引き出し、スキーのラディウスに乗り込んでいくターンが可能になります。必要以上のひねりも使わずにすむため、関節などへの負担も軽減、とても合理的なターンテクニックと言えるのです!
軸の回転が身につくエクササイズ7選
(1)ダブルストックを突いて上体を前に出す
ダブルストックで両スキーのエッジを外しながらニュートラルを確実に作ります。この時に上体を前に出していくことでスキーを横に振り出すのではなく乗り込んでいけるポジションをとりましょう
(2)ストックを普段より前方に突いてターンする
外腕をターン方向に回し、前のほうにストックを突くことでターン中、常にスキーに正対できるようにします。これによって軸を回しやすくなり、スキーを推進させ続けることが可能になります
(3)外手を意識的に振り込みながら滑る
身体の動きを止めて、その場でエッジングするのではなく、外腕を内側に振り込むことで軸の回転を引き出します。これによってスキーを推進させながらエッジングする感覚を覚えることができます
(4)腕をクロスさせて手を膝にあてる
両膝の向きを強制的にターン進行方向に向けるトレーニングです。また、ターン中の両スキーに生まれた高低差に、膝や股関節、骨盤、肩のラインなどを合わせていく練習としても有効です
軸の回転が身につくエクササイズ7選
(5)太ももの間に手を入れ、ワイドスタンスを意識して滑る
この滑りでは足首の動きが制限されるので、身体全体を使った運動を行なわないとターンができません。両スキーの高低差に脚部の動きを合わせながら、積極的に軸をターン方向に回して滑りましょう
(6)切りかえるときに、ストックを身体の後ろで持ちかえる
切りかえで腰を前に出し、膝の向きをしっかりと入れかえることで軸の回転を行ないやすくします。中盤から後半では両手を雪面に近づけるようにすると、より深い内傾を出しやすくなります
(7)切りかえでジャンプ
ジャンプ中もしっかりと軸を回転させることが大切。これによってスキーが深く角づけされた状態で着地することができ、そこからさらに軸を回すことで、より深回りのターンが可能となります
栗山未来(くりやま・みく)
1985年11月9日生まれ、富山県出身。2014年の技術選で女子総合6位を記録してSAJナショナルデモンストレーターに初認定(現在5期)。2017年〜19年に技術選総合3連覇を達成し、22年には4度目の頂点に立つ。2023年インタースキー日本代表。GALA湯沢スキースクール所属