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新型ACEは狙ったラインを外さない

ギア・アイテム

スキーにサスペンション!?

エランのスキーといえば、左右非対称のアンフィビオ構造に代表される、他社にはまねのできないオリジナルのテクノロジーが搭載されているのが特徴。そういった高度なテクノロジーが、唯一無二のスキーメーカーとして、世界中のスキーヤーを魅了してきた。現在はスキークロスのワールドカップで、圧倒的な存在感を示している。

数あるスキーメーカーのなかで、来シーズンのエランから目が離せない。なぜなら、エランの看板モデルとも言うべき一般レーサー、エキスパート向けのエースシリーズが待望のフルモデルチェンジを果たしたのだ。ニューモデルでは、一体どのようなテクノロジーが採用されているのか、注目してみていきたい。

新たに登場したテクノロジーが「アクティブサスペンションドライブ」というもの。従来のエースシリーズに搭載されていたエースアローテクノロジーとは異なる画期的なテクノロジーだ。

SIAトップデモの藤原友範もエランを愛用

「スキーにサスペンション!?」と思う人もいるかもしれない。簡単にいうと、車のサスペンションのように衝撃や振動を吸収して、エッジが雪面をしっかりとグリップできるようにするもの。極限の性能が求められるスキークロスのワールドカップを舞台に生み出された先進のテクノロジーだ。

さらに、このアクティブサスペンションドライブは、エースシリーズの下のカテゴリー、エースSCシリーズ(昨年までのプライムタイムシリーズ)にも搭載されている。昨年まで、このカテゴリーのモデルには、エランのブランドイメージにもなっている左右非対称構造のアンフィビオプロファイルが採用されていた。それが今シーズンからアクティブサスペンションドライブを採用したということは、それだけこのシステムが優れていることの証明に他ならない。

それでは、フルモデルチェンジしたエースシリーズとアクティブサスペンションドライブについて詳解していこう。

ミラノ・コルティナ冬季五輪で古野慧が4位を獲得!

SAJ令和8承認第00478号

今年の2月に開催されたミラノ・コルティナ冬季五輪の男子スキークロスでエランスキーが圧倒的な存在感を示した。金メダルを獲得したシモーネ デロメディス選手を筆頭に4位から7位まで獲得。この種目で注目されたのが古野慧選手だ。決勝まで勝ち上がったが、わずか1000分の3秒差で4位。銅メダルが手を伸ばせば届きそうな距離にあったのに非常に惜しい結果となった。それでも日本人選手で過去最高の4位という素晴らしい成績を残した。

アクティブサスペンションドライブが強いグリップ力とスムースなターン性能を両立

アクティブサスペンションは、スキーの安定性向上に大いに貢献している。

スキーの性能で一番重要なポイントは、スキーヤーが乗るセンター部分をいかに安定させるか。エランが新たに開発したアクティブサスペンションシステムは、メタルを三分割してセンターのメタルにトップとテールのメタルをラバー素材を介して接続することで、前後で起きる振動はセンター部分には伝わらず、センター部分の安定感を高めハイパフォーマンスを引き出している。

もう一つの注目ポイントは、扱いやすさだ。アクティブサスペンションドライブを搭載することで、パフォーマンスや耐久性を犠牲にすることなく、たわませやすくなっているのが特徴。実はこれ、ワールドカップの選手用スキーの特徴を市販のスキーで実現したもの。スピードを出して滑ったときに、スキーのたわみに沿ってエッジが雪面を正確にしっかりと捉える感覚を得やすい。

先代のエースシリーズが採用していたエースアローテクノロジーと比べても、明らかにしなやかさが増している。しかし、スピードを出してエッジングに入ったとき、その優しさとは正反対の非常に強い切れ味、高い安定性を発揮する。

新しいエースシリーズを代表するモデルが、エースGSXプレートとエースSLXプレート。とくにエースGSXプレートは、スキークロス用のエースGSXワールドカップXの流れを汲んでおり、クイックな操作性、安定性、ターンの速さが特徴のモデルになっている。

日本で人気なのがSLXで、今季モデルはスピードへの対応力はそのままで、特に操作性が高くなっているという。エキスパートにおすすめはワールドカッププレートを搭載したSLXプレート。SIAの藤原デモも、普段使用しているワールドカップSLよりも履きやすいと絶賛している。

「エースSLXは、〝切れ味〟という言葉がぴったり。ターンを始めた瞬間にエッジが雪面へ吸いつくように入り、素早い切り返しでも板が遅れない。テンポ良く滑っていくと、自分の操作に対してスキーがダイレクトに反応してくれます。アクティブサスペンションドライブの効果は大きく、硬いバーンでも足元が暴れず、安心して深い角づけが可能。振動が抑えられることでショートターンでもラインが乱れず、スキーの走りを最後まで引き出せます。軽快なのに安定。そのバランスが非常に高く、滑っていて純粋に『楽しい』と感じるSLモデルです」

GSXとSLXの影に隠れて目立たないが、エースシリーズでおすすめなのがエースSCXプレート。ラディウスがおよそ15mで、ロングもショートも自在。真のマルチターンモデルと言っていい。それが、アクティブサスペンションドライブを搭載したことで、ハイスピードでのパフォーマンスを維持しつつ、操作性が格段に向上。切りかえ前後のスキーの方向づけが思い通りにできる。

ハイパフォーマンスと乗りやすさを高次元で両立させたニューエースシリーズ。来季で最も注目すべきモデルだ。

使用選手のインプレッション

藤原友範

第48-49期SIAデモンストレーター選考会第2位、SKIWI SKI SCHOOL所属

GSXプレートは、とにかく“速さのなかで安心できる”スキーです。ターン中盤から後半へとスピードを上げてもバタつかず、板が常に雪面をしっかり捉え続けてくれます。特にターン後半の伸びが素晴らしく、踏めば踏むほど加速。荒れたバーンでも余計な振動を吸収してくれるため安定感が高く、身体がブレず、自分のラインに集中できます。高速域では「もっと踏みたい」と思わせてくれるほど。レーシングマシンのような強さがありながら、操作は驚くほどスムーズ。大回りが気持ち良すぎて、ずっと飛ばし続けたくなります。

田代 空

第63回全日本スキー技術選手権大会総合44位、神立高原スキークラブ所属

SLX プレートは常に雪面にコンタクトして、ターンの前半、中盤、後半のどの局面においても安定感の高いパフォーマンスを発揮します。さらに、ターン前半のリアクションが非常に速く、ターン始動時の操作性に優れています。GSX プレートは、ターン中の抜群の安定感はもちろん、切りかえ時にターンを非常にスムーズにつなぐことが可能。また、ターン後半でスキーが自然にリバウンドしてくれるので、加速しながらも操作性が損なわれることはありません。そのため、どんな状況でもスムーズに操作できます。

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