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神谷来美のショートターン感覚を手に入れる!

レッスン

鋭く深い内傾角、高く安定したポジションなど、神谷来美が考えるカービングショートのエッセンスと、本人が実践する練習法を大公開!

ハムストリングに力を入れてスキーを押さえながら、すねを斜め前方に押して深い傾きを得る

ターン全体をとおして、私は曲線ではなく、鋭角的なジグザグの軌道をイメージしています。曲線的なターン軌道の中で「ゆっくりとグリップが強まり、傾きが生まれてくる」のではなく、「鋭くタイトなタイミングの中で、素早くコンパクトに一つひとつの動作を済ませていく」といった感覚です。

滑りの中で意識しているのは、ターンの仕上げの局面でハムストリング(太ももの裏側の筋肉)を使って、スキーを雪面に押さえつけることがひとつ。ハムストリングに力を入れることで、切りかえ時にももが寝てしまうことも防ぐことができ、スキーの走りに重心をついていかせることができます。

そしてもうひとつが、切りかえ後に雪面をとらえたら、スキーを確実にグリップさせたまま、雪面に近いところから動いて傾きを深めていくこと。「すねを斜め前方向に押していく」感覚で、足首~膝~股関節という順で角度を作っていきます。

こうやって高いポジションをキープしながら深い内傾角を作り、また次のターンに向けてハムストリングでスキーを押さえながらスキーの走りについていく。これが私の動きのイメージです。

すねとハムストリングが使えるようになるトレーニング8選

(1)レールターン

スキーの進行方向に合わせて自分の重心を動かせているかを確認します。両スキーの真上に重心をキープしていきますが、この練習では足裏全体で雪面を踏みつけるようにすることもポイントです

(2)外手で内脚を押す

内脚のアウトエッジを使えるようにする練習です。ターン中に内脚がターン内側に倒れアウトエッジを使えていないと深い内傾角を得ることができません。ここでは外手で内膝を押して内脚を外旋させ、傾きを作っています

(3)シュテムのカービングバージョン

ターンの仕上げから切りかえ~次のターンの序盤にかけて、スキーを押さえつけるためにハムストリングに力を入れる感覚をシュテムのカービングバージョンで覚えましょう。ももが寝ないことで高いポジションが生まれ、早いタイミングから深い傾きを生むことができています

(4)両手を振ってタイミングを取る

ターン後半に両手を前に振り出すと同時に重心を前方に移動させます。ターンの仕上げから切りかえ~次のターンの序盤にかけて、スキーを押さえつける練習になります。手を振り出すとスキーの推進性を感じやすくなり、手を下げると重心が下がるのでスキーのたわみが生まれやすくなります。また、手を上げるタイミングは、ターンが終わってからではなく、中盤から後半にかけて行なうようにしましょう

(5)外手を前に出して、外腰を前に出す

お尻を下げずにハムストリングに張りをもたせ、外手を前に出すことで外腰も前に出していきます。この動きによってターン前半から高い支点で雪面を捉えることが可能になります。なお、外手の向きと外スキーの方向性も合わせるようにしましょう

(6)両手を両膝に当てて、ブーツを斜め前に押す

すねを斜め前方に押す感覚を養うために両手を両膝に当てて、ブーツを斜め前に押してみましょう。ただし足首を必要以上に入れるように意識するとポジションがつぶれ、スキーの推進性を失いやすくなるので注意しましょう

すねとハムストリングが使えるようになるトレーニング8選

(6)両手を両膝に当てて、ブーツを斜め前に押す

すねを斜め前方に押す感覚を養うために両手を両膝に当てて、ブーツを斜め前に押してみましょう。ただし足首を必要以上に入れるように意識するとポジションがつぶれ、スキーの推進性を失いやすくなるので注意しましょう

(7)片手クローチング

ターン内側に傾いた時、体軸に弓なりのしなりが生まれる感覚を覚えるための練習です。雪面に近いところから傾きを作っていくことで結果的に深い内傾角が得られますが、片手クローチングを行うことで上体から傾き出さないようにブロックする効果もあります

(8)外脚一本でターン始動

ハムストリングに張りをもたせることで高いポジションをキープしながら重心をスキーの進行方向に追従させる練習。前のターンの仕上げから山脚一本で立ち、そのままエッジを切りかえて次のターンの谷回りを作ります。ハムストリングが緩んでしまうとポジションが遅れ、左右のバランスも崩しやすくなるので注意しましょう

神谷来美(かみや・くるみ)

2002年生まれ、北海道札幌市出身。4歳で初めてスキーを履き、小学2年生からジュニアの基礎スキーチーム「Team Comp(チーム コンプ)」で練習を始め、大会にも参加。その後、全日本スキー技術選手権大会にデビューし、第59回・第60回大会では2年連続で女子総合2位を獲得。現在、柔道整復師として医療機関に勤務しながら、スキーヤーとしてさらなる高みを目指している

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