プレイバック・ルスツ技術選2024 上位入賞者クローズアップ④
技術選
女子総合5位:西村紗英 Sae NISHIMURA
楽しく、自分らしく
「楽しかったです、一番の感想は楽しかったですね」
今年の技術選を滑り終えて、どう感じていますか? という質問に、西村紗英はこう答えた。
「スーパーファイナルは初めてだったので、ちょっと緊張しました。予選からいい感じで滑れていたので、わりと落ち着いていられたんですけれど、4日目になると一気にお祭りみたいに雰囲気が変わるので、ドキドキ、ワクワクという感じ。予選、決勝より楽しかったです」
大学までレースを続けてきた西村は、卒業後、スキーメーカーに就職。レースの世界を中心に裏方としてスキーに関わってきた。しかし、その生活にもピリオドを打ち、スキーから離れようかと悩んでいたとき、偶然の出会いがあった。
「メーカーのデモチームの合宿にスタッフとして行ったときに、たまたま丸山貴雄さんと滑ったんです。ちょうど、やめるかやめないかで悩んでいる頃だったのですが、貴雄さんに山に連れていってもらってツリーランをして。そのときに、スキーはアルペンだけじゃないんだ、私の知らないスキーの世界があるんだ。おもしろそうだなと思って、技術選をやってみようかなと」
西村の武器は、スキーを縦に使って鋭く走らせるダイナミックなターンだ。決勝の「大回り 中急斜面 整地」では278点をたたき出し、種目トップになっている。そして、その勢いのまま、総合5位へと駆け上がった。
「まさか5位なんて、思ってもいなかったのでびっくりしてます。でも、もうちょっといけたのかなと思うところもあるから、もうちょっと頑張ろうかなと思っています、今」
目標は当然、表彰台、そして総合優勝だろう。だが、必要以上に構えてしまうこともないようだ。
「(総合5位になれたのは)自分がやりたいことができたのもそうだし、自分が楽しく、見ている人も楽しませられるような滑りができたからじゃないかと思います。まだ2回目ですけど、技術選では、自分らしく滑ろうと思える感じがします」