武田竜6連覇、弥永奈々初優勝!
技術選
朝から快晴に恵まれたルスツ。4日間にわたる激闘は結末を迎えた。男子は予選初日から安定した戦いぶりを見せた武田竜が前人未到の6連覇を達成。その揺るぎない技術の高さをあらためて証明した。女子は、昨年渡邊渚とトップ争いを演じた滋賀県の弥永奈々が、前日からの首位を守り切って初優勝。フレッシュで溌剌とした滑りでギャラリーの喝采を浴びた。
タイガーで行なわれた「ロングターン」。男子は山本柊吾、女子は髙橋和花菜が制す
この日、最初に行われたのは急斜面のタイガーコースでの「ロングターン」。前日に続いてハイシーズン並みのコンディションがキープされたバーンで、男女とも激しい戦いが繰り広げられた。
男子のトップをとったのは新潟県の新鋭・山本柊吾。若さあふれる攻めの滑りで281ptというハイスコアをマークした。2位は278ptの奥村駿。277ptを記録した武田竜、関原威吹、佐藤栄一、石水克友、長沼將馬の5人が同点4位で並んだ。
女子は、他を圧倒するターンスピードでゴールまで滑り切った髙橋和花菜が281ptで首位に。同じくターンスピードの速さを武器とする大場朱莉が1点差の280ptで2位。3位には276ptの弥永奈々と青木美和が入った。
男子種目1位 山本柊吾(281pt)
女子種目1位 髙橋和花菜(281pt)
「ミドル〜ショートターン」では、男子が関原威吹、女子は髙橋和花菜が1位に
ミドルからショートへとターンサイズを変化させるなかで、スキーの切れや走りを評価するこの種目。男子の1位は、関原威吹が持ち前のスピードと巧みなリズム変化、正確なスキー操作など調和のとれた滑りで、圧巻の282ptをマーク。これを1点差で奥村駿が追い、277ptの武田竜と穴田玖舟が3位につけた。
女子は髙橋和花菜と野々山颯絵がともに279ptで首位を分け合い、3位には277ptの弓野華緒が入った。ここまで絶好調で優勝争いの一角を担っていた鈴木紗英は、ゴール手前のショートターンでバランスを崩す痛恨のミス。258ptでこの種目15位と大きく後退してしまった。
男子種目1位 関原威吹(282pt)
女子種目1位 髙橋和花菜(279pt)
女子種目1位 野々山颯絵(279pt)
急斜面でのリズム変化は、男子が武田竜と奥村駿、女子は弓野華緒がトップを獲得
最終種目の「リズム変化」は、急斜面のタイガーコースで行なわれた。バーン状況は朝から続くグッドコンディション。各選手は、スキーの反発を巧みにコントロールして、華麗なターン弧を描いていた。コース状況を証明するかのように、ハイスコアが続出。最終種目に相応しい熾烈な戦いが展開された。
男子は、武田竜、奥村駿、関原威吹の3人が282ptで同点首位。4位には今大会ブレイクした山本柊吾が入った。女子は、男子顔負けのスピードと切れを見せた弓野華緒が282ptをマークしてトップに。280ptの弥永奈々、279ptの髙橋和花菜と続いた。
男子種目1位 武田竜(282pt)
男子種目1位 奥村駿(282pt)
女子種目1位 弓野華緒(282pt)
2025年の覇者は、男子が武田竜、女子は弥永奈々
予選4種目、決勝4種目、スーパーファイナル3種目。4日間にわたる激闘は、武田竜の6連覇、弥永奈々の初優勝という結果で幕を閉じた。最終順位は、男子が1位武田竜、2位奥村駿、3位関原威吹、4位須川尚樹、5位山本柊吾、6位山田椋喬、7位佐藤栄一、8位半田翼、9位穴田玖舟、10位石水克友。
女子は、1位弥永奈々、2位髙橋和花菜、3位弓野華緒、4位大場朱莉、5位野々山颯絵、6位青木美和。パワーとバネのある若手に対し、滑りを変えてきた中堅・ベテランが食い下がるという展開は、今大会が技術選の転換期になることを予感させた。
*第62回技術選の詳報は、4月10日発売の月刊スキーグラフィック5月号でお届けするのでお楽しみに!
男子TOP3
女子TOP3