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より速く、鋭いターンをめざして。進化を続けるOGASAKA TCシリーズ

ギア・アイテム技術選

チーム・オガサカの挑戦

総合3位へと躍進し、初めて表彰台に上がった弓野華緒を筆頭に、男女合わせて9人の選手がスーパーファイナルに出場したOGASAKAデモチーム。彼らの足元を支えているのが、技術選で勝つために作られたスキー、TCシリーズだ。ここでは2025/26シーズンのTCシリーズが、どんなスキーなのかを探っていく。

ターンスピード向上と鋭いターンがテーマ

女子総合3位 弓野華緒

昨年、T‌Cシリーズはフルモデルチェンジを受け、大きく性能を進化。その25/26シーズンモデルは、「ターンスピードのアップ」と「より鋭いターン」をテーマに設計・開発され、いっそう大きな性能アップを実現させている。

2‌0‌0‌9年に生まれたT‌Cシリーズは、全日本スキー技術選手権大会(技術選)で勝つことを目的に生み出されたスキーだ。現在の技術選では、かつて重視されてきた円くきれいな弧を描くターンではなく、フォールライン付近で短いエッジングを決め、縦に鋭くスキーを走らせていくターンが求められる。小さいターンを直線的なラインでつなぐ、レーシングシーンで見られるような滑りが高い評価を得る傾向にあるのだ。そのため25/26モデルのT‌Cシリーズは、その滑りを実現するための性能を備えていると、このシリーズの設計にあたった河合茂博は語る。

「25/26モデルの開発にあたっては『ターンスピードのアップ』と『より鋭いターン』をテーマに掲げています。ターン後半、縦に速く抜けていくには、より鋭い谷まわりが必要になります。切りかえからターン始動、そして谷まわりでターンを終えてしまい、一気に縦に抜けていくような鋭いターンをめざしてサイドカーブを新しく設計しています」

たとえば25/26モデルのT‌C-Sの場合、現行モデルに対して、トップ部を3mm細い1‌1‌9mmに、センター部を2mm細い65mmに、そしてテール部を1mm細い1‌0‌2mmへと変更。

「昨年、ハンマーヘッドのようになったトップでターン始動期の早いとらえを可能にしています。その後、トップ部分は抵抗になってしまうので、すばやく抜けて足元に入ってきて、一気に方向を変えて縦に抜けていくという動きをするスキーをめざして開発を進めてきました」(河合)

速いスキーに仕上がっている

男子総合11位 齋藤圭哉

このT‌C-Sの性能を敏感に感じ取っているのが、今季からオガサカスキーを使い始めた齋藤圭哉だ。

「T‌C-Sは急斜面の硬いバーンでも、ターン前半からトップがしっかりとたわんできてくれます。中盤以降は、たわんだぶんの反発があるので、ビュンとターンが伸びる感覚があり、速いスキーに仕上がっていると思います」

年々、高速化する選手たちの滑りに応えるために、芯材やバランスを変更、新たにバイアスファイバーを採用している。

「ロングターンでよりスピードアップしたり、ショートターンでより短い時間でエッジングをすると、ターン中にスキーにかかる荷重は大きくなってきます。その大きな力にしっかりと耐え、サイドカーブをきちんと保持すること、つまり強いねじれ剛性が今のスキーには必要になります。T‌Cシリーズでは、そのためにバイアス・リインフォース・マテリアルという斜め45度に編まれた繊維強化プラスチックを採用し、すばやくたわむソフトなフレックスと、サイドカーブをきちんと維持するハードなトーションを両立させています」

自分がねらったラインを通っていけるスキー

男子総合16位 唐沢航希

男子総合16位、これからオガサカチームの中心選手に成長することが期待されている唐沢航希は、こう話す。

「25/26モデルのT‌C-Lは、たわみがしっかりと出て、自分がねらったラインを通っていけるスキーだと思います。トーションも強く作られていて、ターン中の安定感、どっしり感というのはとても良いものを感じます」

技術選で選手たちが使用するT‌C-LとT‌C-Sには、マルチ・アーク・ジョインティッド・カーブ4‌Rという同じコンセプトのサイドカーブと、65mmというセンター幅を与えることで、同じ感覚で乗ることを可能にしている。

「技術選では、大まわり、小まわり、コブと、一日のうちに何種目も滑らなければなりません。そのなかで大まわり用のスキーと小まわり用のスキーでフィーリングが大きく違っていると、選手に不要なストレスを与えてしまいます。T‌C-LとT‌C-Sではそういうことがないよう、履き替えても同じフィーリングで滑れることを開発段階から意識してきました」(河合)

スキーが縦に推進していく

女子総合9位 神谷来美

女子総合9位の神谷来美はいう。

「今、技術選では走りがすごく重要視されています。今までのT‌C-Lは操作性は高かったのですが、ときにまわりすぎることがありました。でも25/26モデルのT‌C-Lは、スキーが縦に推進していく。抜け出しの角度が決まったら、そこから縦に直線的に走ってくれるので武器になります」

選手たちが技術選で勝つために作られたオガサカのT‌Cシリーズ。その性能を体感してみてはどうだろうか。

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