プレイバック・ルスツ技術選2024 女子総合トップ3インタビュー①
技術選
女子総合1位:渡邉渚 Nagisa WATANABE
2連覇のその先へ
──見事な2連覇達成から数日たちました。今の思いは?
渡邊渚(以下、渡邊) 優勝できて本当によかった! 今思えるのは素直にそれだけです。大会に臨むにあたって、今回はディフェンディングチャンピオンという立場になったわけですが、良かったのは、特にプレッシャーなどを感じすぎることもなく、4日間通して自分の滑りに集中できたことでした。
──会場のルスツにはいつ入ったのですか?
渡邊 本番の1週間ほど前でした。私にとっては初めての会場でしたから、コースの違いはもちろん、北海道独特の雪質であったり、いろいろな違いを感じました。八方と比べることは難しいですが、タイガーのような難易度が高いコースもあって攻略しがいがある面白いスキー場だと感じました。
──さて大会を振り返っていきたいのですが、予選初日でいきなりアクシデントがありましたね。
渡邊 はい。最初の種目「小回り 中急斜面 不整地」です。バランスを崩してスキーが重なってしまい、あわや転倒というミスをしてしまいました。結局この種目では252点で53位……。とんでもなく出遅れてしまったわけですが、次の次の「大回り 急斜面 整地(ナチュラル含む)」では273点で2位を取ることができ、なんとか気持ちも取り戻すことができました。大会初日にして、たったひとつのミスで大きな差がついてしまう技術選の怖さに改めて気づかされました。初日のリザルトは、自分の名前が2枚目にありましたから。
──2日めの予選2種目はラップでしたから、圧巻の巻き返しでした。それでも予選通過順位は6位。これもご本人としては不本意だったのでは?
渡邊 はい。ただ、トップの春原優衣選手との点差は11点という接戦でしたから、上位の選手には誰にでもチャンスがあるという状況だったと思います。
──たしか去年の八方でも転倒のミスから見事に挽回して優勝ということがありました。
渡邊 そうなんです(苦笑)。それもあったし、何しろ残っている種目が多いから、まだまだここ一番の爆発力を出せればという思いでした。失敗したことを悔やんでも仕方ないですし。
──決勝では4種目中2種目でラップという素晴らしい戦いぶり。その結果首位でスーパーファイナルに進出しましたね。しかし2位の青木美和選手とは4点差、3位の弥永奈々選手とはわずか3点差という大変な接戦でしたね。
渡邊 そうですね、本当にワンミスが命取りになってしまう状況であるのは誰の目にも明らかでした。でも守る気持ちはさらさらなかったですね。今回姉(渡邊 岬 女子総合17位)はスーパーファイナルに残れなかったのですが、当日は私のサポートにまわってくれて、それがすごく心強かったです。
──今大会のトピックとして、男子の武田竜選手と女子の渡邊渚選手、同じロシニョールのダブル優勝がありました。チーム内の雰囲気も最高だったのでは?
渡邊 はい、それはもう(笑)。会社の皆さんやヘッドコーチの太谷祐介さんをはじめサービスマンの方など、みんなに祝福していただきました。
──今回のベストランとワーストランをあげるとしたら?
渡邊 やはり予選初日最初の種目「小回り 中急斜面 不整地」です。一番良かったのはスーパーファイナルの「小回り リズム変化 急斜面 整地(ナチュラル含む)」です。ターン前半からの捉えの早さだったり、力強いエッジングなど、自分の持ち味を全部出せたので、スキーがイメージ通りに動いてくれたんです。私は小回り系が得意なのですが、大回り系や不整地でももっとパフォーマンスの向上を目指していきたいです。自分のやるべきことに集中できれば、良い滑りができることはわかっています。去年の1位と今年の1位では、その重みも意味もまったく違う気がしますが、それが具体的に何なのか? もし3連覇できたら、きっと見えてくるんでしょうね!