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サロモンジュニア優勝を独占!吹き荒れたブルー旋風

技術選

ジュニア技術選での快挙とその軌跡

表彰台がブルーに染まる──全日本ジュニア技術選は、まさにそんな大会だった。
小学生、中学生、高校生、男子のすべてのクラスでサロモン選手が優勝。
なぜ、こんなに強いのか? そこには、コーチやOB、現役のプレーヤーがともにサポートし、選手の個性を引き出すチーム力がある。
彼らの躍動の軌跡をたどっていこう。

今シーズンのサロモンは、まさに快挙に次ぐ快挙だった。
第61回技術選では、男子スーパーファイナル出場者の3分の1をサロモンの選手が占め、トップシーンを席巻。その熱気も冷めやらぬうちに、今度は第8回ジュニア技術選でも、サロモンジュニアが男子の優勝を総なめに。さらにはそこへ続く選手たちが次々と、トップ10入りを果たしたのである。
まさに〝旋風〟と呼ぶにふさわしいほどの、サロモンブルーの大躍進。いったい何が起きているのか? 北海道でジュニアのコーチを務める今泉英明は、「チームとしてジュニアの育成に特別な思いをもって取り組んできた経緯がある」と明かす。今でこそ若い選手の活躍が目覚ましいサロモンだが、つい5、6年ほど前までは、状況は全く違っていた、というのだ。
その当時は全日本技術選でも、上位をベテラン勢が占め、若手の活躍はあまり目立っていなかった。サロモンも数多くのトップ選手を輩出していたが、一方でそれに続く若い選手は必ずしも多くはなく、ジュニアに至ってはサロモンスキーを履いて大会に出る選手自体が少なかったという。
もっと若い選手がいきいきと活躍できるようなサポートを、チームとして行なっていく必要があるのではないか。「大人になってからサロモンを履いてもらう、というだけではなく、ジュニアのうちから強化して、そのまま大人になっても活躍できるような魅力ある選手を育てていきたい。そのための活動を、まずはジュニアの選手が多い北海道からスタートしたのです」(今泉)

スキーが好きになる。そこが出発点

ジュニアの合宿では原田侑駿などの若手がコーチに加わることも。憧れの選手との接点をつくりながら、スキーの楽しさを伝えている

 

その大きな力となったのが、今泉はもとより、輪島千恵や吉岡大輔といったOBたちの存在だ。自らもサロモン育ちである彼らの共通の思いは、技術よりもまず「スキーが大好きになってほしい」ということ。やらされるのではなく、やりたくなる。だからこそスキーはうまくなる。そうやって魅力ある選手がのびのびと育っていく。これは、サロモンの文化といってもいい。
だから〝強化〟といっても、そのやり方は独特だ。たとえば今泉は、自身のホームであるニセコで合宿をするときには、コースではないところをひたすら滑る日を、必ず1日、設けているという。林の中を滑ったり、パウダーに入ったり、整地ではありえないような急斜面を降りてみたり。自然の地形やさまざまな雪質にふれることで学べることがたくさんあるからだ。
「ジュニアの選手たちはみんな、整地はすごく上手なんです。でも非圧雪バーンを滑ることはほぼない。だからあえていろいろな経験をしてもらい、総合力を養っていく。そうやって魅力あるスキーヤーに育ってほしいという思いがあります」(今泉)
一方、技術を身につけるうえで大切にしているのが、「自分自身で考える」ということ。「もちろん基本的なことはしっかり教えますが、なぜそれができないのか?ということを今度は自分で考えてもらう。そうすると子どもたちも、映像を見たりしながら、次はこういう練習をしようとか、自分なりに工夫するようになるのです」(今泉)
今、サロモンの若い選手が輝きを放っているのは、選手の主体性を育んできたことが背景にあるのだろう。これはコーチやOBが皆でサポートしていく、チーム力のたまものといっていい。
何よりも優先されるのは、選手それぞれの個性。与えられた答えに従うだけでは、それは育たない。滑りをつくるのはあくまで自分自身だが、その過程で悩むこともあれば、意見を聞きたいときもある。「それを一緒に考え、アドバイスをするのが僕らの役割」と語るのは、コーチの菅野智之だ。
「こう滑りなさいとは決して言わずに、あくまで選手が〝こうしたい〟というものに寄り添っていく。そして石田俊介や青木大輔といったOBも、意見をくれたり、精神面で気を配ってくれたり。一つひとつの支えが、選手たちの大きな力になっていると感じます」

こうして未来は、確実に開かれていく。ジュニア技術選で優勝した高校生の三浦隼之助は今年、全日本技術選にも出場し、総合54位を記録。大人と戦っても十分に通用する選手が、着実に育ってきているのである。
そんな彼らの成長を見守り、ときには家族のように接してきたのが輪島千恵だ。成績も素晴らしいが、何よりもうれしいのは、「スキーが本当に好きで、楽しそうに滑っている姿」だという。「選手同士がとてもいい雰囲気で高め合っていて、ときには原田侑駿くんのような若い選手もコーチに加わり、いいコミュニケーションが取れているのを感じます。憧れのスキーを履いて、憧れの選手とふれあいながら、スキーの楽しさを分かち合っていく。それが今につながっているのだと思います」

高校生の三浦隼之助は、第61回全日本技術選で決勝に残り、総合54位に。上のステージでも戦える選手が、ジュニアから着実に育ってきている

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