プレイバック・ルスツ技術選2024 上位入賞者クローズアップ③
技術選
女子総合4位:弥永奈々 Nana YANAGA
逃したもの
滋賀県で生まれ育つなかでスキーと出合い、高校からは藤井守之が主催する妙高リージョンスキークラブでトレーニングを積むようになった弥永奈々。ジュニア時代からレースに打ち込んできた彼女が、技術選をめざすようになったのは、ごく自然な流れだった。
「当時はモリさんも選手でやっていたし、周りのみんなもやっているので興味があって、私も出てみたいなと」
初めの2年は学連から出場し、昨年から滋賀県代表に。そして、4年目となる今大会で自己最高位を大きく更新する総合4位を記録。その要因は、いったい何だったのだろうか。
「昨年、ナショナルデモに選考していただき、技術選のトップ選手と滑る機会が増えました。そのなかでいろいろな先輩方から、技術選の滑り方とか、滑りの表現の仕方を教えてもらったのが大きいと思います。それまで、ずっとレースの世界で滑っていたので」
山形県で行なわれた国民スポーツ大会(成年女子A)で総合2位を記録するなど、弥永はデモとしての活動とレースの活動を現在でも並行して行なっている。
「レースのコースには斜面変化やうねりなどもたくさんあります。そうした状況への対応力や、速いスピードが出たなかでもポールに合わせて絶対に曲がらなきゃいけないという技術はレースから学んでいます。そのなかで培った孤の深さ、ポールを滑っているイメージで深いターンを見せられることが、私の武器だと思います」
ルスツの硬く締まったバーンで弥永のスキーは深く、鋭いターンを描いた。整地系種目ではまんべんなく270点台後半の得点をたたき出したことが、それを証しているといえるだろう。
だが、その反面で大きなミスも目立った。そのうえでの総合4位という成績を、弥永はどう受け止めているのか。
「素直に悔しいです。初めは表彰台をねらっていたのですが、1日目、2日目と終わっていくなかで評価していただける種目もあって、それからは優勝をめざして滑っていたので。ミスを抑えられたら、来年はいけるんじゃないかと思います」