ルスツ技術選、開幕!
技術選
3月6日、第62回全日本スキー技術選手権大会が、北海道ルスツリゾートにて開幕した。予選初日の順位は、男子1位が武田竜、2位関原威吹、3位奥村駿。女子は青木美和、鈴木紗英、弥永奈々が同点首位に並ぶという展開となった。男女ともに、躍進する若手をベテランが円熟の滑りで迎え撃つといった構図。2025年の技術選は、初日から激闘の予感で満ちていた。
注目の新種目「フリー・ウェーブ」では男子は武田竜、女子は野々山颯絵が首位に
今大会、新たに採用された「フリー・ウェーブ」。ダイナミックコース上部に2つの大きなウェーブを設置し、ハイスピードターンの中での演技構成や斜面変化に合わせた動きを評価する種目だ。この日は、硬くアイシーなバーンの上に前日から降り続けた湿った雪が積もり、スキーの滑走性を邪魔するという難しい斜面状況。特に午前中は降雪による視界不良も加わり、積極的にスキーを下に向けてアグレッシブなターンをアピールするには、強靭なメンタルも求められた。この難しいシチュエーションを圧巻のスキー操作で制したのは、ディフェンディングチャンピオンの武田竜。スタート直後のウェーブを落ち着いたスキーさばきで処理し、推進性の高いターンを連続して273ptというハイスコアをマーク。2位には須川尚樹(272pt)、3位に関原威吹(272pt)が入り、ベテラン、中堅、若手がトップを争う展開となった。
男子種目1位 武田竜(273pt)
男子種目3位 関原威吹(271pt)
午前中は、アイスバーンの上に湿った雪が積もった難しい状況だったが、競技が進むにつれてバーン表面の雪が落ちて滑りやすいコンディションに。また雪がやむと視界も開けて、女子のスタート時には、ゴールエリアからも上部のウェーブまで見通せるようになった。そんななか、なめらかなウェーブ処理とスピード感あふれるターンで戦略性に満ちた滑りを見せたのが野々山颯絵。272ptという会心のスコアで首位に立った。2位には竹内さんごとベテランの青木美和が271ptで並んだ。
女子種目1位 野々山颯絵(272pt)
女子種目2位 青木美和(271pt)
目まぐるしく変わる斜面状況のなか「ショートターン」を制したのは奥村駿と鈴木紗英
ジャイアントコースで行なわれたショートターンも、雪質変化との戦いだった。硬く締まったアイスバーンに重めの湿雪が乗り、雪面からのリバウンドをもらえない状況下、安定したショートリズムをゴールまで刻むのは至難の技だったと言えるだろう。この種目で最初に高得点を叩き出したのは奥村駿。足場が不安定なバーンにも関わらず深いターンを連続し、273ptでトップに。2位は272ptで武田竜。ベテランらしい安定感抜群の演技は貫禄を感じさせた。
男子種目1位 奥村駿(273pt)
男子種目2位 武田竜(272pt)
女子は、弥永奈々が雪質変化に抜群の対応力を見せ273ptという高得点をマークし、ギャラリーを沸かせた。だが、彼女を上回るパフォーマンスで274ptという、男女合わせてこの日トップのスコアを叩き出したのが鈴木紗英。難しい雪質の急斜面に臆することなく、スキーを走らせ続けた演技は圧巻のひと言。また、地元の神谷来美も弥永奈々と並ぶ273ptで2位を記録した。
女子種目1位 鈴木紗英(274pt)
女子種目2位 弥永奈々(273pt)