プロショップが指南!スキーのチューンナップQ&A
ギア・アイテム
Question:チューンナップに出す目安は?
Answer:たくさん滑る人はワンシーズンごとに
ショップへチューンナップに出すタイミングは、シーズン中にどれだけ滑ったかによるが、毎週のように滑りに行くならシーズンが終わったらチューンナップに出したほうがいい。2~3回程度しか滑りに行かなくても、シーズンオフに滑走面が酸化するなどダメージが蓄積するので、2シーズンに1回を目安に。シーズン直前はチューンナップの申し込みが集中し、年内に受け付けを締め切るショップが多い。確実にシーズンインに間に合わせるなら余裕をもってチューンナップに出そう。滑走シーズン中はできれば使用したら毎回、セルフワクシングをしておくことが望ましい。
ワクシングをはじめ、プランによっては滑走面やエッジの手入れまでスキー全体の性能をよみがえらせてくれるのがショップのチューンナップの魅力
Question:滑ったあとはどんなお手入れが必要?
Answer:まるごと水洗いがおすすめ
スキー場にはコースコンディションを維持するため硫安がまかれていることが多い。この硫安がスキーについたまま放置するとエッジがサビる原因になる。また、プラスチック樹脂も腐食しやすくなるので、滑走後は滑走面もビンディングも含めてスキーをまるごと水洗いしてしまうのがおすすめだ。そして洗ったあとは、タオルなどでしっかりと水気を拭きとっておく。ビンディングは造りが複雑なのですき間に入った水分はそう簡単にはとれないが、乾燥室または陰干しをしてしっかり乾かすとスキーの劣化を防げる。
スキーは雪上での使用を想定しているのでまるごと水洗いしても大丈夫。滑走中に付着した汚れや硫安を洗い流しておくだけでも劣化に違いが出る
Question:自分でワクシングするのはどんなとき?
Answer:できれば毎回やっておきたい
ホットワックスの効果はもっても2日間ぐらい。だから滑った後は毎回、ベースワックスをかけるのが理想。とくに春シーズンは滑走面に汚れが付着しやすく、そのままにしておくと滑走性がどんどん悪くなる。ワクシングが面倒であれば、クリーナーをスプレーして滑走面の汚れを拭き取っておくだけでもスキーの滑りが違ってくる。
汚れが付着することでスキーの滑りが悪くなるので、滑走面はまめにワクシングをするか、クリーナーやブラッシングで汚れだけでもとっておこう
Question: ワックスは何を選ぶ?
Answer:固形とリキッドをうまく使い分ける
固形ワックスは用具の準備や、溶かして塗って剥ぐ作業など、手間がかかるぶん、滑走面の奥までワックスが染み込むため持続性が高い。リキッドタイプは基本的に滑走性の高い成分が入っており、滑走面の表面に吸着しやすい。長持ちはしないが手軽に塗れるので、「滑りが悪い」と感じたその場で対応できることがメリットだ。
固形ワックスは滑走後の手入れや気候や温度によって塗り変える。リキッドワックスは現地で滑走性が悪いときに活用と、場面ごとの使い分けが便利
Question: スクレーパーをかけるときのポイントは?
Answer:滑走面に対してフラットに当てよう
ホットワックスはスクレーピングできれいに剥いでおく。スクレーパーの厚みも重要で、薄いと湾曲して点で削るようになり滑走面をえぐってしまうことがある。側面をソールにフラットに当てながら削るのがベストだ。一押しでワックスを厚めに剥ぐと削りカスが少なくて済むが、難しければ細かく何度も動かしながら削っていく。
力が一点に集中しないよう、スクレーパーの側面全体を滑走面に当ててワックスを剥いでいく。ある程度剥いだら、あとはブラッシングで仕上げだ
Question: ブラッシングはしておくべき?
Answer:汚れをしっかりかき出すためにやっておくべし
スクレ―ピングだけではワックスを取り切れないので、ブラシをかければ滑走面がよりきれいな仕上がりになる。かき出すようにナイロンブラシをかけるとワックスのクズがどんどん出てくる。その後に馬毛ブラシをかけて細かな汚れを取り除けば、滑走面に光沢が出る。水を垂らすと玉のようにはじくうつくしい滑走面に仕上げよう。
ナイロンブラシは手首にスナップをきかせてかき出すようにかける。手間をかけた丁寧な手入れがスキーの滑走性を保つ秘訣だ
Question: ブラシの種類は? 何が違う?
Answer:ナイロン・馬毛・ブロンズを使い分ける
ブラシには、ナイロン、馬毛、ブロンズなどの種類がある。ナイロンは毛が硬めで、滑走面に残ったワックスをかき出すのに役に立つベーシックなブラシ。馬毛は毛が細くて軟らかいため、かき出したワックスのクズをきれいに取り除く仕上げ用だ。真ちゅうを使った硬いブロンズブラシは滑走面に付着した油汚れなどの手ごわい汚れを取り除くときに重宝し、主にワックスをかける前に活用される。ブラッシングはワックスの効果を高めるのに大切なひと手間。タイプの違うブラシを使い分けることで、滑走面の仕上がりがグッとアップする。
左から順に、ブロンズ、ナイロン、馬毛のブラシ。この3タイプのブラシを用意しておけば、滑走面の仕上げはほぼ完璧だ
Question: ワックスがきれいに剥がせない
Answer:スクレーパーを研いでエッジを出す
セルフワクシングで見落としがちなのがスクレーパーの状態。滑走面にスクレーパーをちゃんと面で当てているのにワックスがきれいに剥げない場合は、角が立っているかどうか確認してみよう。スクレーパーは使い込むうちに角が丸くなってしまうため、こうなるとワックスの削り残しが多くなってしまう。滑走面にワックスが残っていると汚れがつきやすくなるので、スクレーパーはときどきやすりで研いで、きちんと角が立った状態にしておこう。プラスチックを削るので、使用するやすりはなるべく目の粗いものがおすすめだ。
平らな場所にやすりを置いて、その上でスクレーパーを滑らせるように動かして研ぐ。こうすると側面をフラットに研ぐことができ、きれいに角出しできる
Question: エッジのサビが気になる場合は?
Answer:エッジのサビ落とし&バリ取りアイテムを活用
滑ったあとにスキーの水分を拭き取って乾燥させた状態で保管しておけばエッジはサビにくい。それでもできてしまったサビが気になるようなら、ワックスメーカーなどが販売しているサビ取り用のアイテムを活用しよう。消しゴムのような軟らかい素材で、サビた部分をこするとエッジを傷めずにサビを取り除ける。
目の細かいサンドペーパーでサビを落とす方法もあるが、消しゴムのような軟らかいサビ取りアイテムを使った方が手軽に手入れできる
Question: オフシーズンの保管方法は?
Answer:日陰で保管し、チューンナップにも出しておく
シーズン中、自宅に持ち帰ったスキーをケースに入れたままにしておくと湿気がこもってエッジがサビやすくなる。毎回取り出して陰干ししておくのがおすすめ。オフシーズンは保管前によく乾かし、エッジにサビ止めを塗り、スキーケースに丸めた新聞紙や除湿剤なども入れておくと安心だ。適度に換気もしたいのでケースを少しあけておいてもいい。
シーズン後にチューンナップに出していれば、状態もよく大抵エッジのサビ止め処理もされているので、それほど保管方法をシビアに考えなくてもいい
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